マイナーコンビニ、いくつ知ってる?
いきなりですが、次の屋号はかつて東京都内に出店していたコンビニチェーンです。
・チコマート
・ショップアンドライフ
・アップルマート
・フレンドマート
・タイムズマート
・パンプキン
・ダウンタウン
・パワーコンビニ情熱空間
あえて店舗数が少なかったマニアックなものを挙げたので、ひとつも知らないという人が多いかもしれませんが、もっとメジャーなチェーンのなかにも、東京から姿を消した例は数多くあります。それらはなぜ、消えてしまったのでしょう?
2000年代以降は大手に集約化
コンビニチェーンが消えた理由の多くに、業界の再編があります。
コンビニチェーンのイメージ(画像:写真AC)
電子レンジで温めて提供する冷凍弁当「とれたてキッチン」でおなじみだったam/pmは、1989(平成元)年に日本での出店が始まりました。また1994年には、雪印乳業系のコンビニ・ブルマートを吸収し、勢力を拡大させています。
ところが、am/pmは2010年にファミリーマートに吸収合併され、翌年には日本から完全に消滅しました。
ココストアは1971(昭和46)年、愛知県内に1号店をオープンさせた古参コンビニです。1993年に都内に進出し、2001年には赤い看板が目印だったコンビニチェーン・HOT SPARを傘下に入れるなど成長を続けていましたが、2015年にファミリーマートに吸収され、街から消えることになります。
サークルKは東海地区を拠点に1980年より展開され、2000年代には都内でも店舗が目立つようになっていました。一方、サンクスも同じ1980年デビューです。翌年には中野区に都内1号店をオープンさせ、そこから全国規模に拡張していきます。
サークルKとサンクスの運営会社が合併したのは2004(平成16)年のことです。以後タッグを組んだ両チェーンですが、2016年に事実上ファミリーマートに吸収されることで、ふたつの屋号はなくなりました。
翻って考えれば、現在のファミリーマートは従来のファミリーマートと、
・am/pm
・ブルマート
・ココストア
・HOT SPAR
・サークルK
・サンクス
などが合体した姿なのです。
ローソンの勢力拡大は多様
一方、ローソンに姿を変えて消えたコンビニも多くあります。
ローソンは現在三菱グループ系ですが、かつてはダイエーの傘下にありました。そして1989年に同じ系列だったサンチェーンと合併。以後、サンチェーンの店舗はローソンに転換されています。
コンビニと100円ショップを融合したような業態のSHOP99は、1996年に立川に1号店がオープンした新しいチェーンでした。現在のローソンストア100は、そのSHOP99がローソングループ入りし、姿を変えたものです。
スリーエフは2016年に運営会社が、ローソンと資本提携したことで、屋号をローソン・スリーエフに改めました。
コンビニチェーンの弁当イメージ(画像:写真AC)
また既存のコンビニチェーンが、ローソンとフランチャイズ契約を結び、自社店舗をまるごとローソンに転換させたケースもあります。具体的には
・新鮮組
・ジャストスポット
・セーブオン(都内未進出)
などです。やはり、大手のシステムに組み込まれた方が経営上のメリットが大きいということなのでしょう。
このほかの再編劇として、「あなたの街のコンビニエンス」と名乗ったマイチャミーが2003年にポプラに買収されて消えた例もあります。
企業内の事情で消えた屋号が
・サンエブリー
・ヤマザキデイリーストアー
です(例外あり)。どちらも山崎製パンが別々の流れで1970年代にスタートさせたものですが、効率化のためか、1999年にデイリーヤマザキに統合されています。
今も消えたチェーンの屋号を守る店舗が?
コンビニ消滅のもうひとつの理由は「経営難」です。
その代表格が中堅チェーンのニコマートで、1993年に倒産しました。なお、その後ニコマートの一部店舗はJマートとして再出発しますが、このチェーンも今は存在しません。また、前述のジャストスポットも、旧ニコマートの流れをくんでいます。
コンビニチェーンの店員イメージ(画像:写真AC)
最後に、冒頭で紹介したマニアックな消えたコンビニチェーンについて、駆け足で補足しておきましょう。
葛飾区に本社を構えたチコマートは、1999年に千葉県生まれのショップ&ライフを傘下に収め規模を大きくしましたが、2005年に倒産。
1982年に生まれ、首都圏で展開されたアップルマートは2000年代まで店舗が存在していました。
フレンドマートは明治製菓の系列で、タイムズマートは酒販店をコンビニ化させた業態でした。
パンプキンはオーケー、ダウンタウンはマルヤと、いずれもスーパーマーケット系。パワーコンビニ情熱空間はドン・キホーテが2006年より展開させたコンビニですが、短期間で消滅しています。
なお、運営母体が消滅した現在も消えたコンビニチェーンと同じ屋号で営業を続けている個人経営の店舗が存在すること、それらがコンビニマニア垂涎(すいぜん)のスポットとなっていることも付け加えておきましょう。