東京女子が包丁片手に魚をさばく 体験会も大人気、便利なこの時代にナゼ?

2018年12月31日

ライフ
ULM編集部

食生活に豊かさと便利さがもたらされた昨今、手のかかる作業は避けられがち。そんななか、あえて魚をさばこうとする女性たちがいます。いったいなぜなのでしょうか。


潜在的に存在する「自分でさばきたい」という思い

 スーパーマーケットで売っている魚の刺し身や切り身は、手間をかけず簡単に食べられることもあり、忙しいビジネスウーマンにとって強い味方です。最近、包丁を握っていないかも――。そんな人も少なくないのでは?

 そんななか、あえて自分の手で魚をさばきたいと考える女性が増えています。

 日本財団などが手掛ける「日本さばけるプロジェクト」が、服部栄養専門学校(渋谷区千駄ヶ谷)とタッグを組んで、8月から12月にかけて計8回開催している体験会「海と日本さばける塾 in 東京」。

 同体験会は20人の定員に対しキャンセル待ちが出るほどの人気で、参加者の約7割は20代から40代までの女性。3000円の会費で、魚のさばき方と調理法を3時間かけて学びます。過去3年間で約400人が参加しました。

「海と日本さばける塾 in 東京」の様子(画像:日本さばけるプロジェクト)

「魚をさばくことに興味のある女性は多いですよ」

 そう話すのは、同プロジェクト事務局の担当者です。その言葉を実際に裏付けるデータも。水産大手のマルハニチロ(江東区豊洲)が2014年に行った「魚食文化に関する調査」によると、「魚をさばける」と答えた人は全体の26%だったものの、「さばけるようになりたい」は53%と半数以上に及ぶことが分かりました。この結果からも、魚をさばくことに対して潜在的な憧れがあることが分かります。

マルハニチロの「魚食文化に関する調査」の結果(画像:マルハニチロの調査結果をULM編集部で加工)

 この興味の裏には、ある理由があります。

「お母さんからさばき方を習ったり、我流でさばいたりする女性はある程度います。しかし、プロによる、『日本食の作法』としてのさばき方ができる人はほとんどいない。彼女たちが興味を持っているのはそこなんですよ」(同担当者)

「海と日本さばける塾 in 東京」に参加する女性たち(画像:日本さばけるプロジェクト)

「海と日本さばける塾 in 東京」で指導を行っているのは、日本料理の名門「東京吉兆」出身で、服部栄養専門学校の日本料理講師を務める西澤辰男さん。参加者たちはそこで「作法」としての技を知るというわけです。

「さばく際の、魚の正しい置き方、向き、持ち方やさばく順番などを重点的に学びます。そういった背景もあり、真剣に技術を求めている女性が圧倒的に多い。やはり自信につながるのでしょう。当初は『花嫁修業にいかがですか』という触れ込みで募集してたのですが、現在ではまったく違いますね」(日本さばけるプロジェクト担当者)

「生き物から命をいただく」ことを考える


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