電車を降りたら『キャプテン翼』 葛飾区「四つ木」は機動力に満ちあふれた街だった【連載】東京下町ベースキャンプ(2)
2020年8月8日
知る!TOKYOかつて江戸近郊の農村部だった東京東部の「下町」。そんな同エリアを、ブログ「限界ニュータウン探訪記」管理人の吉川祐介さんは新たな「拠点」と位置付け、再解釈を試みています。
堤防沿いの四つ木駅
葛飾区の京成押上線四つ木駅は、荒川に掛かる国道6号線(水戸街道)から南側へ少し路地に入った、綾瀬川の堤防沿いの道路脇にあります。
駅舎や構内には、葛飾区ゆかりの人気漫画『キャプテン翼』のイラストが所狭しと描かれにぎやかな印象です。
駅舎から一歩外に踏み出せば、南側に「渋江商店街」があるほかは大きな施設もなく、駅前からすぐに住宅街が広がります。
「四つ木」の地名が、公式な記録として最初に登場するのは『元禄(げんろく)改定国絵図』の中に「四ツ木新田」としてですが、由来は諸説あり、現在も判明していません。
関東大震災以降、人口が急増
四つ木駅の1日あたりの乗降者数は、1万6553人(2018年)。各駅停車のみで、京成沿線でも存在感を示すことの少ないこのエリアは、区内ではもっとも都心寄りに位置するその立地から、いち早く市街化の波にのみ込まれていきました。
1920(大正9)年には3780人を数えるのみだった地区の人口は、1963(昭和38)年には、およそ9倍の約3万5000人に達しています。これは1923年の関東大震災による都心部の防火対策に伴い発生した、住宅地の郊外化も影響しています。

戦前は野菜市場が存在していたほど農村に近接していた四つ木の町ですが、現在は複雑に入り組んだ狭い路地に、古い民家と近代的な集合住宅、町工場が混在。
いまだ再開発は進んでいませんが、その駅舎に描かれた漫画キャラクターのイメージにふさわしく、フットワークの軽さと機動力を存分に発揮できる拠点となりえます。
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