口を真っ黒に汚してまでナゼ……かつて日本人が「イカスミ」にドはまりした理由
2020年7月28日
ライフイカスミスパゲッティーといえば、一時期ほどは聞かなくなりましたが根強いファンのいる人気メニュー。そもそもいつから人気に火が付いたのでしょうか。フリーライターの小西マリアさんが解説します。
漆黒の見た目と、塩辛いコク
イカスミっておいしいですよね? 特に、イカスミスパゲッティーは、あの漆黒の見た目からは想像しがたいコクのある塩辛さがたまりません。口の中どころか、唇まで真っ黒になってしまうことも厭(いと)わずに食べたくなるものです。
そんなイカスミのブームに火がついたのは、1994(平成6)年の東京でのこと……。

この年の春先から三越日本橋店(中央区日本橋室町)に毎日、100人以上が行列をする話題の商品が登場しました。洋菓子店のダロワイヨが売り出したイカスミパンを買い求める行列です。
見た目には太い炭のように黒光りしている漆黒のパン。まさに墨という雰囲気です。
そんな同店のイカスミパンは1本300円。1日80本の限定生産だというのに100人近くが行列をする日が続きました。同年には、横浜市のヨコハマ グランドインターコンチネンタルホテルも同じくイカスミパンを発売。こちらも、やっぱり大評判になっていました。
今では、イカスミというとスパゲッティーで食べるものと思っている人が多いと思いますが、もっとアレンジ性の強いものから火がついたのは驚きです。
ブームの1994年から翌年にかけては、イカスミのアレンジ商品が次々と生まれます。1994年の冬に一世を風靡(ふうび)したのは、イカスミまん。売り出したのは肉まんで知られる井村屋です。春頃からのイカスミブームに目を付けた同社では、商品開発を急ぎ9月に発売。
コンビニなどの店頭の保温器の中に、白い肉まんやあんまんに混じって漆黒のイカスミまんが並べられている光景に興味をそそられた人も多かったのです。

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