日本で台湾・ハワイブームが一向に衰えないほっこりする理由

長年日本で続いている台湾ブームやハワイブーム。ブームは数あれど、いったいなぜこのふたつのブームの息は長いのでしょうか。文殊リサーチワークス・リサーチャー&プランナーの中村圭さんが解説します。


日本と台湾は生活意識が近い

 わが国では絶えず、どこかの国のブームが訪れています。2019年のブームは、なんといっても台湾でした。空前のブームとなったタピオカミルクティー。街なかや商業施設に次々とティーサロンやティースタンドが出店。都心ではそろそろ店舗の供給過多とも言われていますが、チーズフォーム(ホイップ状にされたクリームチーズ)を乗せたチーズティーも登場し、いまだブームの衰えを知りません。

 さらに豆花(トウファ。豆乳を固めたもので、シロップをかけてピーナツや小豆などのトッピングを乗せて食べるスイーツ)も人気が出てきており、台湾の人気老舗スイーツ店「騒豆花」など、都内にいくつも専門店が出店しました。

「騒豆花」の豆花(画像:フークル)



 健康志向を始めとして、日本は台湾と生活意識が近いこともあり、文化が受け入れやすいこともあるでしょう。タピオカミルクティーのブームも抹茶・ほうじ茶に飛び火しており、多様なティーサロンが生まれ、国内で新たな「お茶文化」を形成しつつあります。

 また2019年のブームを象徴するトピックスは、台湾発セレクトショップ「誠品生活」の日本上陸です。コレド室町テラス(中央区日本橋室町)内の「誠品生活 日本橋」は「Books,and Everything in Between.」をコンセプトに、書店を核としてガラス工房などのワークショップやクッキングスタジオ併設のグローサリーストアを併設する体験型店舗で、日本の「蔦屋書店」のモデルとも言われています。上陸とともに、日本人観光客に人気のある現地有名店も引き連れてきました。

台湾政府おすすめレストランも上陸

 また同じくコレド室町テラスには「富錦樹台菜香檳(フージンツリー)」が出店。同店は2018年に台湾政府が勧める「必ず食べるべきグルメ10選」に選ばれるなど、台湾を代表するレストランのひとつ。洗練された台湾料理をシャンパンとともにスタイリッシュに楽しめます。

「水蓮菜と木の実の炒め」や「豚バラ肉の角煮 ナツメとハイビスカスソース」、「花ニラとピータン 豚挽肉のピリ辛炒め」など新鮮な野菜やフルーツをふんだんに取り入れヘルシーに仕上げたメニューが特徴です。

「富錦樹台菜香檳」のメニュー「豚バラ肉の角煮 ナツメとハイビスカス」と店内の様子(画像:WDI JAPAN、山本育憲)



 そのほかにも台湾茶ティーサロン「王德傳(ワンダーチュアン)」、台湾スイーツ「郭元益(グォユェンイー)」などが出店しました。

ヴィーガン向けのハワイアンカフェも上陸

 一方、若い女性を中心に息の長いブームとなっているのがハワイです。パンケーキの「Eggs’n Things」、ハンバーガーの「KUA’AINA」、マラサダの「Leonard’s」などのハワイアンフードやハワイアンジュエリー、ハンドクラフト、フラダンス、ロミロミなど、国内にはさまざまな分野のハワイ関連店舗がすでに展開しています。

 豊かな自然におおらかな土地柄、スピリチュアルな風土など、ハワイのライフスタイルや文化に共感し、生活にハワイのテイストを取り入れたい人が増えており、南国ゆえに夏がメインシーズンですが、1年中を通してニーズがある状況です。

「Peace Cafe Hawaii」の「ヴィーガンロコモコ」と店内の様子(画像:谷川商店)

 2019年も現地の人気店が日本に上陸しました。11月1日(金)にオープンした渋谷スクランブルスクエア(渋谷区渋谷)には、「Peace Cafe Hawaii」が出店。

 同店はハワイで初のヴィーガンカフェとして2010年に創業し、現地でも絶大な人気を誇り、地元のグルメ誌などでも数々の賞を受けています。日本店でもスーパーフードなどから作られた「ヴィーガンロコモコ」など、健康的なデリを提供しています。

ブームの国からわかる、消費者意識の変化

 ハワイブームは長く続いているため、多店舗展開している店が多く、ミニテーマパークのようなテーマエリアを形成しているところもあります。

「ハワイアンタウン」は横浜ワールドポーターズ(横浜市)1階に位置するハワイアンモール。エリア中央にはハワイにある巨木、バニヤンツリーのオブジェが設置され、その周りにハワイアン料理「BLUE Water Shrimp」、ハワイアンファッション「aloha street」、ハワイアンアクセサリー「MALULANI HAWAII Resort」などの店舗が取り囲んでいます。クラフト系のワークショップやフラダンスショー、ハワイアンライブなどのイベントも定期的に開催しています。

横浜ワールドポーターズの外観(画像:谷川商店)



 このようなブームはかつて韓国が代表的でした。「冬のソナタ」に始まった韓流(はんりゅう)ブームですが、現在は冬ソナ世代を親に持つ子ども世代に韓流ブームがきています。

 2019年もK-POPのアイドルグループやコスメ、ファッションのほか、チーズハットグ(伸びるチーズが話題となった韓国版アメリカンドッグ)やボンボン(韓国風フルーツパフェ)、タッカンマリ(韓国風鶏の水炊き)などが話題となり、専門店が出店しました。しかし、韓国の場合は外交問題が度々ブームに水を差し、当初ほどの盛り上がりにはなりません。

 ブームになっている国の店舗の状況を見ていると、消費者の意識に変化が訪れていることを感じます。

 アメリカやフランス、イタリアなど欧米諸国のグランメゾン(高級レストラン)やブランドショップは憧れの的として誘致されました。一般消費者が年に何回も海外旅行するようになるとアジアにも目が向けられ、タイやバリなどのエスニックレストランが珍しさや目新しさもあって導入されました。

 しかし、近年の台湾ブームやハワイブームはその国のライフスタイルに強い共感とリスペクトを持ち、その文化を自分のライフスタイルにも取り入れたいと考えていることが特徴です。

多いリピーター、底堅い集客

 台湾やハワイは若い女性に人気の海外旅行先であり、中には年に何回も訪れる人もいます。そのような人たちにとって、台湾やハワイに行くことは国内の京都や沖縄に旅行することと同じ感覚であり、台湾やハワイの人気店が日本上陸することは、京都や沖縄でよく利用していた店舗が東京に進出したという感覚に近くなっています。

台湾とハワイの街中の様子(画像:写真AC)



 観光的な物珍しさで利用するのではなく、「日常生活の延長線上」として捉えているところが特徴的です。そのため、店舗はリピーターが多く、集客が底堅くなっています。

 逆に台湾やハワイでは早くから日本文化が受け入れられ、日本の店舗がいくつも出店していることから、店舗を通して相互交流が活発になっていると言えるでしょう。

 興味のある人はぜひ、台湾フードやハワイアンフードのお店に足を運んでみてください。


【画像】台湾行くなら絶対食べたい台湾グルメ10選

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