アリ?ナシ? 女性の「ぼっちずし」、その流儀と楽しみ方について徹底解説する

女性の社会進出にともない、旅や食事を楽しむためのお金に糸目をつけない、経済的に豊かな女性も増えました。そんな女性たちが、ひとりですし店を訪れ楽しむ「女性ひとりずし」を提唱しているのが、ホットペッパーグルメ外食総研・上席研究員の有木真理さんです。「女性ひとりずし」には、いったいどのような「流儀」があるのでしょうか?


女性の社会進出の背景で……

 女性がひとり、カウンターですしを食べる――。

 そもそも「カウンターずし」は、数ある飲食シーンにおいて、とてもハードルの高い「玄人級」の部類に入ります。そのカウンターずしに女性ひとりで訪れる。それは飲食シーン最高レベルの難易度であり、かつ賛否両論があるかも知れません。

 しかし、女性の社会進出が進みライフスタイルが多様化している昨今、なんとも時代を象徴するようなシーンではないでしょうか。そのためあえて今回、このテーマの「流儀」について記述してみようと思います。

「女性ひとりずし」のイメージ(画像:写真AC)



 女性は年齢を重ねれば重ねるほど、ライフスタイルのパターンが増える生き物です。20代前半は、同世代の友人と収入やライフスタイルに大きな差はなく、何でも友人と一緒に経験していました。

 年齢を重ねると、それぞれのライフスタイルは大きく異なってきます。母親になれば夜の気軽な外出が難しくなりますし、彼氏や夫がいれば、お相手次第で夜の遊び方も変わります。もちろん収入も年齢を重ねるほど差が出るため、遊び方にも変化が出ます。これは男性も同様です。

 女性の社会進出が進み、管理職として活躍してキャリアを重ねる女性も年々増加。可処分所得は増え、旅や食事を楽しむためのお金に糸目をつけない、経済的に豊かな女性も存在します。

増加する女性のひとり夕食市場

 筆者が上席研究員を務める「ホットペッパーグルメ外食総研」(リクルートライフスタイル)が行った、東名阪の男女性を中心に全国1万人を対象とした「外食市場調査」によると、ひとり夕食のマーケットは年々拡大しています。

ひとり夕食の市場規模の推移(画像:リクルートライフスタイル)

 ひとり夕食の市場規模は2013年から2017年にかけて、全体では1.19倍となっています。その中でも特に20代女性が1.31倍、40代女性では1.34倍となっています。この結果を見ると、「筆者の見解もあながち間違いではないのでは?」と思います。

 20代は、まさに現代のライフスタイルを象徴する世代です。40代女性の伸びが著しいのは子育てが落ち着いた世代であり、団塊ジュニアを中心とした競争社会を生き抜いてきた、たくましい世代の結果といえます。たくましく生きてきた結果、ある程度の収入を得ることができ、食にもお金を掛けられるというわけです。

 では、そんな女性たちをイメージして、「女性ひとりずし」の流儀や楽しみ方についての賛否両論見ていきたいと思います。

「女性ひとりずし」はもの悲しい?

 まずは賛成派の意見を見てみましょう。

「女性ひとりずし」はアリ? ナシ?(画像:写真AC)



●ひとりだといつでも気軽に楽しめる。
 飲食シーンにも大きな影響を及ぼし、心とお財布に余裕のある女性が「たまには贅沢においしいおすし食べちゃう?」なんて声をかけて、気軽に誘いに乗ってくれる友人が年々減っていくのも、大人の女性への階段を上る壁だったりもします。女性の社会進出、晩婚化、ライフスタイルの多様化は、女性の「ひとり〇〇マーケット」を醸成してきた社会背景とも言えます。

 このように考えると、「女性ひとりずし」はもの悲しく感じるかもしれませんが、決してそうではないのです。実はひとりって意外と気軽で楽しいのです。タイミングも行きたいお店も、すべて自分の意志で決められるのです。とても楽ちんなのです。ひとり旅マーケットが成長しているのと同様に、いつでも気軽に行ける「ひとりずし」をはじめとした「ひとり美食」は、ニーズが高まっていると言えます。

●自立した女性を演出できる。
 自分で働いて稼いだお金で、自分の好きなことを思いっきり楽しむ。まるで雑誌の一面を飾るような、凛として、自立した女性。ひとり旅を楽しむ女性同様に、なんともかっこいい、現代を象徴する女性像なのではないでしょうか。

ちょっとイタい人と思われがち?

 では、反対派の意見を。

●おいしいものは、その体験をシェアすべき。
 おいしいものはひとりで食べるのではなく、その体験を一緒にシェアする仲間がいる方が楽しいに決まっています。会話を楽しみながら食事をする――。その楽しみを味わえないのはなんとも残念です。

●ちょっとさみしそうに見える!?
 あの凛としたすし屋のカウンターにひとり。かっこいいと感じる人もいれば、逆に寂しそうにも見えます。場合によっては、カッコつけていて、ちょっとイタい人と思われがちなシーンとも見えるため、注意が必要かもしれません(苦笑)。

 前述した通り、「女性ひとりずし」はとても難易度の高い飲食シーンです。それでも、ひとりですしが食べたいときもあります。例えば、任されていたプロジェクトが上手くいき、自分へのご褒美に。日本海や北海道、九州……美食の街への出張で、おすしが食べたい。仕事でむしゃくしゃして、ストレス解消で消費! などなど……。そんな活動的な女性諸君にも、思う存分ひとりずしを楽しんでもらえるように、ここからは楽しみ方と流儀について記述します。

 もちろん、女性に限らず、カウンターずしデビューする人たちの参考にもなれば幸いです。

ホテル内名店がおすすめ

 それでは「女性ひとりずし」の楽しみ方や流儀をお伝えしたいと思います。まずは、賢いお店の選び方を3つ。

ホテル内にあるすしの名店のイメージ(画像:写真AC)



 ひとつ目は、一見さんもいそうなホテル内にある名店を選ぶこと。自分のほかにも、一見さんや「ひとりずし」を楽しむ人がいる可能性があるお店を選びましょう。ホテル内にある名店であれば、宿泊者などもいて「おひとりさま」が目立ちにくいのでおすすめです。

 ふたつ目は、お店のサイズは少し大き目を選ぶこと。カウンター10席以内のお店だと、お客さんひとりひとりに注目が集まりやすいため、緊張感があります。さらに、握り手がふたり以上いる少し大きめのお店がおすすめ。会話が分散され、お店の中に適度な「音」が発生します。テーブル席などもあると、お店がシーンと静まり返ることなく、カウンターでひとりでおすしを食べている人が気にならない可能性が高いです。

 3つ目は、女性への配慮があるお店を選ぶこと。女性客を大切にし、工夫をしているお店であること。たとえば、シャリを小さめに握ってくれるなど、ちょっとした配慮をしてくれているお店がおすすめです。ホームページや飲食サイトで情報をチェックしてみるのもいいかも知れません。お店が女性ひとりの客に対してウェルカムなお店というのは居心地がいいものです。

相手にお会計を払ってもらうのはNG

 続いて、楽しみ方と流儀を3つ。

●予約を取りにくいお店は避ける。
 昨今、一年先まで予約が取れないプレミアムシート的なおすし屋さんが増えています。このような人気店は、玄人や常連さんも多い上に、席数にも限りがあります。この手のお店は、常連さんや食通の方に連れて行ってもらうほうがよいです(できれば男性。笑)。常連さんに連れて行ってもらうというもの、すし屋を楽しむ方法の一つなのです。

●通ぶってアラカルト注文をするより、「おまかせ」にするべし。
 通ぶってアラカルトで頼むよりも、「おまかせ」がおすすめです。初めてのお店で、かつ女性ひとり。そこで一貫ずつ注文するのはハードルが高いですし、そもそもすしは、大将がおすすめするものをおすすめの順番で楽しむ方がおいしく頂けます。ただし、自身の好みはしっかり伝えましょう。例えば、おつまみは少なめでしっかりおすしが食べたい、シャリは小さめに、など。また、苦手なものやアレルギーは予め伝えましょう。コースが一巡したら、好みのおすしを追加注文するのもよいですし、お酒も好みを伝え、「おまかせ」でお願いするのもおすすめです。こうしてお店の空気感に自然に調和することで、お店の方と会話も楽しめるかも知れませんね。

●深夜の「女性ひとりずし」は避けましょう。
 一般的な食事時間を過ぎた時間に、ひとりずしにいくのは避けましょう。そういった飲食シーンは、周囲が男性同士やデートが多く、女性ひとりの寂しさを感じる可能性もあります。また酔っぱらった人に声をかけられるリスクもあります。むだに話しかけられたり敬遠されたりするよりも、ひとりで純粋におすしを楽しむなら、深夜ではなく食事タイムに行きましょう。

 むしろ、ランチタイムに高級すしにいくのはおすすめです。周囲の目線も比較的気になりにくいですし、高級なおすしがお手軽な価格で楽しめる可能性が高いです。

やっぱりふたりが一番?(画像:写真AC)

 ここまで書いてきたものの、おすし屋さんのあの凛としたカウンター、背筋の伸びるちょっと特別なあのシーンに、ひとりで行かなくてもよいのではないか? というのが筆者の本音。

 やはり、おいしい食事はひとりではなく、誰かとその時間をシェアしたいと思います。特に高級すしは、素敵なお相手とカウンターに座るのが絵になるものです。ただし、お会計を払ってもらうつもりで行くのはNG。大人の女性たるもの、自身でお支払いすることを前提に食事に行きましょう。

 さて、今夜のあなたはひとりずし? ふたりずし?


【写真】日本初のおひとりさまメディア「ひとりとひとり(R)」が、第6号を発行! 今回のテーマは「住まいのこと」

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