夏休み終盤に限って、親は子どもの「観察魔」なるべき理由

夏休みももうすぐ終わり。そんなときこそ、親は子どもの様子をしっかり観察する必要があると、これまで教育問題に幅広く携わってきた、元塾講師でライターの中山まち子さんは話します。いったいなぜでしょうか。

「いつもと違う何か」を察知することが大切

 夏休みももうすぐ終わります。そのようなタイミングで、もし子どもが「学校に行きたくない」と言ってきたら、親であるあなたはどうしますか?

 国立精神・神経医療研究センター(小平市小川東町)内の「自殺総合対策推進センター」の調べによると、小学生から高校生までを対象にした直近10年間のデータで、自殺者数は8月下旬から9月上旬にかけて多くなることが分かっています。

 こういった結果を踏まえ、子どもの親としてどう対処していけば良いのか考えていきます。

8月下旬に限って、親が子どもの「観察魔」なっても許される(画像:写真AC)



 夏休みが後半にさしかかると、「早起き生活がまた始まるから嫌」「学校に行くのが面倒」と冗談めかしく話す子が多く現れます。こういった言動の中に、子どもの異変が隠れています。

 上記のような言葉のほか、子どもが頭痛や腹痛などの体調不良を訴えてきても、異変と考えていいでしょう。学校再開までのカウントダウンが始まると、不安で夜に眠れなくなる子どもは少なくありません。これまでの様子と比べ、子どもが落ち込んでいたり、口数が少なくなったりしていないかを観察しましょう。

 子どもは成長するにつれ、「親に心配をかけたくない」と敢えて明るく振舞うようになります。「もう思春期なのかな」と思う親もいるかもしれません。しかし子どもは小学校高学年前後から空気を読み、本音を言わなくなります。元気過ぎたり、家族に優しすぎたりするなど、「妙に良い子になっている」と感じたら、それも危険なサインなのです。

「なんで行きたくないの」と子どもを問い詰めない

 子どもが学校に行きたがらないと、大半の親は「どうして行きたくないの?」と理由を聞きたがります。イジメだけが原因ではありません。学力不振や対人関係の疲れなど、複合的な要素が積み重なっているケースもあります。

悩んでいる子どものイメージ(画像:写真AC)



 そのような要素を親が強引に解決しようとしても、本当の解決とは言えません。親が子どもに対してすぐに答えを求めてしまうと、心を閉ざしてしまう恐れがあります。

 理由を聞きたくなるのはわかりますが、まずは子どもが抱えている不安や悩みを聞くようにしましょう。声に耳を傾けるだけでよいのです。否定の言葉や人生訓を説くのはかえって逆効果ですので控えましょう。「親は自分の味方」であることを言動で示すのです。

「うちの子に限って」という思い込みを捨てる

 親と言えども、子どもの本心を見抜くのは簡単ではありません。近すぎるからこそ見えないこともあります。「ここまで追い詰められていたなんて」と、後から事実を知ることだけは避けなければいけません。

 普段と様子が違うと感じたら、声がけはもちろんのこと、心療内科やスクールカウンセラーといった第三者に頼りましょう。子どもは成長すればするほど、自分の気持ちを親にストレートに伝えることに抵抗感を覚えます。まずは専門家に診てもらい、抱えている不安を吐露できる機会を作ってあげてください。

「子どもはそのうち、本当の気持ちを打ち明けるだろう」と様子を見ていると、状況は悪化します。子どもは「親は結局、自分を学校に行かせようとしている」と思ってしまうので、決して胸の内を見せようとしなくなります。あらゆる事態を想定し、身内で話を済ませようとせず、外部の人に頼ることを考えてください。

「学校がすべてではない」と親が態度で示す

 子どもが学校に対して不安や恐怖を抱いているなら、無理に学校へ通わせないようにしましょう。「そのくらい我慢しろ」など親から言われたら、子どもは絶望的な気持ちになり、誰も信じられなくなります。

悩んでいる子どものイメージ(画像:写真AC)



 現在、不登校に対するサポートは充実しています。私たち親世代とは、考え方も雰囲気も変化しているとまず自覚しましょう。もはや、「学校に行かなければ人生が終わってしまう」という時代ではないのです。

 子どもを守ることを最優先し、無理に学校に通わせようと必死になってはいけません。学校外の教育サポートや、不登校児を積極的に支援している民間団体に一緒に見学に行ったり、関連する資料を集めたりして、「学校だけがすべてではない」という考えを持っていることを子どもに示してあげましょう。

夏休み前後はいつも以上に注意する

 前述のとおり、夏休み前後に子どもの自殺数は増えます。「わが家には関係のない」と考えず、子どもの様子や言動の変化に注意してください。

「笑顔が少ない」「自室にこもる」「外出したがらない」など、1年前の夏と違うところはないか比較してください。そういった些細な変化を自分の「思い過ごし」とせず、子どもから発せられているSOSに積極的に気づくことが、親に求められているのです。

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