【徹底解剖】人々はなぜ『Fate』にのめり込み、登場キャラの歴史に興味を持ち始めるのか
2020年7月6日
ライフ近年ますます人気の『Fate』シリーズ。没入感を呼び起こすその魅力について、文教大学国際学部准教授の清水麻帆さんが解説します。
15年以上続く『Fate』の人気
『Fate』というノベルゲーム(文章を読み進めるタイプのコンピューターゲーム)をご存じでしょうか。もしかしたら、アニメや他のコンテンツで知っている人もいるかもしれません。
2004(平成16)年、ゲームブランド「TYPE-MOON」から発売されたコンピューターゲームとして『Fate/stay night』が発売されました。2015年にはスマートフォン向けの『Fate/Grand Order(以下FGO)』が制作され、これまで中国、香港、台湾、韓国、アメリカでも発売されています。

すでにゲーム発売から15年以上がたっていますが、『Fate』の人気は長く、2019年の年間モバイルゲーム売り上げランキングでは1位に輝き、約711億円を売り上げています(「ファミ通モバイルゲーム2020」)。ちなみに、2018年は2位でした。
こうした長年にわたって人気を保っている『Fate』のゲームプレイ経験者(家庭用ゲームからアーケードゲーム、モバイルゲームなど)の推定は約86万人、その内男性が65%、女性が35%を占めています(『ファミ通ゲーム白書2019』)。
また、年代は20代が約30%を占め、次いで30代前半が多く、20歳から30代前半だけで全体の約40%を占めていることからも、若い層の男性に人気があることがわかります。
『Fate』の特徴とは
そして、ヘビーゲーマーが約全体の半数を占めており、ゲーム好きな人たちが興じている傾向が強いのも特徴です。
近年では、メディアミックスへの展開も多岐にわたっており、アニメや漫画、映画、2.5次元舞台やラジオにまで及んでおり、アニメや2.5次元からゲームを知る人もいるのではないでしょうか。

この『Fate』の内容ですが、主人公の士郎が魔術師同士の争いを止めるために戦い挑んでいく物語になっています。その戦いを「聖杯戦争」といい、「あらゆる願いをかなえるとされる万能の願望機・聖杯」を勝ち取る戦いです。
聖杯戦争では、魔術師「マスター(人間)」と協力して戦うのが「サーヴァント(英霊)」で、マスターはひとりのサーヴァントを招き、ふたり一組で戦います。最後のひとり(マスター)として勝ち残った際に、聖杯を手にして願いをかなえることができるという物語です。
サーヴァントですが、あらゆる時代を超えた、世界中の神話、伝説、そして歴史上の人物がキャラクターとして描かれています。
またマスターとサーヴァントとの関係性が構築される中で物語は進行していきます。加えて、展開されるストーリーが多く用意されているのも人気の要因のひとつでもあるでしょう。

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