令和が求めるリーダーは「部下を平気でフォローできる人」、いったいなぜなのか?

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令和が求めるリーダーは「部下を平気でフォローできる人」、いったいなぜなのか?

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アーバンライフ東京編集部

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立教大学大学院経営学研究科は、パーソルホールディングス、パーソル総合研究所と連携を図り、2020年度から「リーダーシップ開発コース」を新設します。同コースが考える、令和の時代に適応できる「リーダーシップ」とは一体どのようなものでしょうか。

開講は主に金曜夜と土曜の「社会人向けコース」

 平成から令和へ。時代が変遷するなか、かつてスタンダードだった価値基準は大きく揺らいでいます。終身雇用、年功序列、企業別組合の3つの特徴を持つ、日本型雇用の限界も叫ばれ始めて久しい現在。グローバル化が進み、AI(人工知能)技術が進化を遂げ、今後「人の組織」がどうあるべきかが、問われはじめています。

大学院に、新たに「リーダーシップ開発コース」が新設される立教大学(2019年7月1日、高橋亜矢子撮影)



 そんななか、立教大学大学院経営学研究科(豊島区西池袋)とパーソルホールディングス(渋谷区代々木)、パーソル総合研究所(港区南青山)は、2020年4月に「リーダーシップ開発コース」を新設すると発表しました。

 同コースは「リーダーシップを発揮できる人」を育成する人材を育むもの。社会人対象のコースです(但し、立教大学経営学部の5年間一貫プログラムの学生は対象)。

 授業は原則、金曜夜と土曜日に開講(春季、夏季の集中講座あり)。想定される入学者像としては、企業の人事、人材開発担当者、管理職のほか、教育機関のリーダー層、部活動指導員、看護師、医療従事者など、チームでミッションを行う環境下にいる人が挙げられるといいます。

 特筆すべき点は、同コースが考える「リーダーシップ」の形。特定の権限を持つ人が発揮する旧来型のリーダーシップとは異なる、チーム一人ひとりが持つ「次世代のリーダーシップ」だといいます。

 一体どのようなものでしょうか。

リーダーシップは、特別な立場の人以外でも発揮可能なもの

 立教大学教授の石川淳さんは、リーダーシップの定義を「組織や職場の目標を達成するために、組織や職場の他のメンバーに及ぼす影響力」だと説明します。

「リーダーシップ開発コース」の記者発表会の登壇者(2019年7月1日、高橋亜矢子撮影)



「従来、リーダーシップとは、社長、部長、課長などのポジションについている人や、カリスマなど、特別な立場の人が発揮するものと考えられてきたように思います。

 しかし、例えば、入ったばかりの新入社員であったとしても、組織に貢献できるような影響力は、彼ら、彼女らなりにあるはずです。組織に所属する全員が、必要な時に必要なリーダーシップを発揮する。誰か旗振りをしている時には、それ以外の人がフォローに回る。たとえ部長であっても、部下が牽引しようとしている時には、フォローに回る……というような『シェアード・リーダーシップ』が重要であると思っています」

 また、フォーマットに当てはめるのではなく、個人の長所を生かすことの重要性を示唆。「最近の研究では、自分の長所をうまく影響力に変換していったほうが効果が高いとも言われています。皆、長所はあります。つまり、もう少し言い方を変えると、それぞれが長所を生かし、自分なりのリーダーシップを発揮するほうが、ずっと効果が高いといえます」と話します。

「全員がリーダーシップを発揮することによって、メンバー全員が生き生きと活躍でき、なおかつ職場や組織の成果を高めることができるような、そういった組織づくりや人づくりを、専門的な見地から、行えるような人を育成したいと考えています」(立教大学 石川 淳教授)

「令和は『個』の時代」

 一方、パーソルホールディングスの代表取締役、水田正道さんは「これからは『個』の時代」と強調します。

「リーダーシップ開発コース」の記者発表会の登壇者(2019年7月1日、高橋亜矢子撮影)



「昭和や平成の時代では、画一的な価値観のもとさまざまな運用がなされ、リーダーシップにおいても、率先垂範(そっせんすいはん。人の先頭に立って物事を行い、模範を示すこと)といいますか、『俺についてこい』ですとか、『誰よりも論理的に語らなきゃいけない』という考え方が多かったかもしれません。

 ですが、これからは『個』を大事にする時代。『サポートをする』『フォローをする』『色々な人に共感する』など、リーダーシップのあり方にも、さらなる多様性があって構わないのではないかと思っております」(パーソルホールディングス 代表取締役 水田正道さん)

初年度は10人「今後は拡大していきたい」

 そんな同コースでは、アクティブラーニング(生徒が、受動的にではなく、能動的に学べるような授業を行う学習方法)を重視しているとのこと。まずは実際にやってみて、さまざまなフィードバックを得たあとに、繰り返しやってみる。企業でいうところのPDCAを回すような、実践と振り返りの繰り返しが「肝」と考えているといいます。

 リカレント教育(学び直し)の重要性が叫ばれるなか、満を辞しての開講。初年度の定員は10人ですが「ぜひとも拡大していきたい」としています。

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