パイロット志望だった総支配人は、なぜ自社ホテルに「フライトシミュレーター」を置いたのか

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パイロット志望だった総支配人は、なぜ自社ホテルに「フライトシミュレーター」を置いたのか

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羽田エクセルホテル東急に、B737-800のフライトシミュレーターが設置された部屋「スーペリアコックピットルーム」が登場しました。ANAの元機長をインストラクターに、操縦体験ができます。フライトプランや飛行状況を自分で選べる本格的なものです。

ホテルの一室にシミュレーターを設置

 羽田エクセルホテル東急(大田区羽田空港)に、B737-800のフライトシミュレーター(地上での飛行模擬操縦)が設置された部屋「スーペリアコックピットルーム」が登場しました。宿泊せずにシミュレーターだけを体験することができ、早くも人気を博しています。

羽田エクセルホテル東急のスーペリアコックピットルーム(2019年8月6日、宮崎佳代子撮影)



 同ホテルは2019年7月18日(木)より、シミュレーターを体験する「フライトシミュレーター体験プラン」と、シミュレーターが設置された部屋に宿泊する「フライトシミュレーター雰囲気体験プラン」をスタートしました。「フライトシミュレーター体験プラン」は、元ANA機長をインストラクターに、90分間の操縦体験ができます。

 B737-800のシミュレーターは同ホテルが購入し、トリプルルームのベッドをひとつ取り除いて設置。飛行ルートは羽田空港発(C滑走路から離陸)、伊丹空港行きで、一連の操縦を行います。

 希望により、出発地や到着地を他の国内空港や海外の空港にすることもできます。さらには、スムーズなフライトの操縦だけでなく、横風や雨による視界不良のなかでの操縦、トラブル解決など、要望通りのトレーニングもできるそうです。

 スーペリアコックピットルームに設置されたシミュレーターを見学しました。

 ホテル一室のベッドのすぐ横に、コックピット(操縦席)があるのを目にするというのも、貴重な体験といえます。操縦席に座ると視界からベッドは消え、目の前に羽田空港の景観。C滑走路から離陸するとすぐ右手にスカツリーが見えてきて、空が目の前にぐんぐん迫る様子に臨場感を覚えます。

 羽田上空をひとまわりした後、着陸に向けて低空飛行し、滑走路の端に書かれた「34R」の数字が徐々に大きく見えてくる緊張感のなか、無事タッチダウン。と思いきや、タッチアンドゴー(接地して、すぐに離陸)でもう一度やり直し、といった状況を再現。ちょっと体験しただけでも興奮や緊張を繰り返し楽しめるので、90分間はとても充実した操縦体験ができそうです。

「フライトシミュレーター体験プラン」は、9月末までほぼ予約が埋まっているとのこと。同プランは宿泊が条件とはなっておらず、宿泊を希望する場合は体験プラン料金3万円(税別)に加えて、宿泊料(1泊室料2万5300円〜)がかかります。

「シミュレーター雰囲気体感プラン」は、スーペリアコックピットルームに宿泊するプランです。シミュレーターには透明のアクリル板が張られていて、操縦席全体を見ることはできますが、中に入ったり計器に触れたりすることはできません。コックピットの窓に映し出される、飛行中に流れる羽田空港の離着陸の景色(昼と夜)を楽しむことができます。

 それにしても、なぜ、ホテルの客室にシミュレーターを設置するに至ったのでしょうか?

スーペリアコックピットルームを導入したワケ

 羽田エクセルホテル東急 執行役員総支配人の貴崎清孝さんにスーペリアコックピットルームを導入した理由について訊きました。貴崎さん自身、かつて、パイロットを目指したことがあるほどの飛行機好きだそうです。

B737-800のフライトシミュレーター(2019年8月6日、宮崎佳代子撮影)



「一番の理由は、話題性です。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、新しいホテルが過剰なまでに増えています。正直、そのことにわれわれは危機感を覚えています。われわれは第2旅客ターミナル内にあるものの、端っこにあって気づかれにくく、そのため空港内にホテルがあることを知らない人も多い。羽田空港にフライトシミュレーターの設置されたホテルがあると話題になり広く認知されることで、羽田空港内にホテルがあることが知られることにつながると考えました」

 これは世界的にも話題となる可能性があり、実際に海外メディアからの取材依頼もあったそうです。インバウンド誘致にも繋がるのではないかと貴崎さんは話します。

 また、空港を「旅の通過点」ではなく、「観光場所」として足を運ぶ人たちが増えていることから、モノからコトへの消費者ニーズに応えるものにもなるとも。「さらには、私のようにパイロットを目指して夢叶わなかった人たちに、楽しんでもらえたら嬉しい」と貴崎さんは笑顔で言葉を結びました。

 スーペリアコックピットルームは1室のみですが、羽田エクセルホテル東急には、滑走路が間近に見える部屋や、ANAのファーストクラスシートが設置された部屋があります。朝5時から24時まで営業しているレストラン カフェ&ダイニング「フライヤーズテーブル」では、羽田空港や関西空港の離着陸風景などが楽しめる大型スクリーンを設置しているなど、ここでも飛行機をさまざまに楽しめることが意外と知られていません。

「フライトシミュレーター体験プラン」はもちろんのこと、他とはちょっと違った飛行機との触れ合い方ができる場所として、ぜひ足を運んでみてください。

●フライトシミュレーター体験プラン
・場所:羽田エクセルホテル東急(羽田空港第2旅客ターミナル内)
・内容:インストラクター付きフライトシミュレーター操縦体験 90分間
・料金:3万円(税別)
・時間:12:00〜13:30、14:30〜16:00

●「フライトシミュレーター雰囲気体感プラン
・場所:羽田エクセルホテル東急(羽田空港第2旅客ターミナル内)
・内容:スーペリアコックピットルームの宿泊(ツインベッドルーム)※透明のアクリル越しに飛行中の流れる景色とコックピット全体をみるものとなり、操縦席に座ったり、計器類に触れることはできません。
・料金:2万5300円〜(消費税・サービス料込み、東京都宿泊税別)
・時間:チェクイン:18:00、チェックアウト翌10:00

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