東京人が高級車より「ラグビー観戦チケット」を心から欲しがる理由
2020年2月16日
ライフ令和時代の東京人の先端的なライフスタイルの変化について、ジェイ・エム・アール生活総合研究所代表取締役社長の松田久一さんが解説します。
令和の先端的なライフスタイルとは
2010年代に東京(23区)の生活と暮らしは、大きく変わりました。かつて、東京暮らしと言えば、「サザエさん一家」でした。

しかし今の東京は、「サザエさん一家」のような「中流生活」はみんなが実現できるものはなくなり、モノがそろった生活からさまざまなコンテンツやサービスによる豊かな体験に満ちた暮らしへと変貌しています。
特に、先端的なライフスタイルではその傾向が顕著にみられます。それは、持ち家やクルマ、最新家電を所有して他人から認められる時代から、他人が模倣できない体験を誇示する消費へと変化していることを意味します。
なぜそうなったのかを知るために、少し昔を振り返ってみます。
大正時代に大きく開花した「中流生活」
サザエさん一家は、郊外の世田谷の持ち家に住み、三世代同居で、家長の波平さんやカツオさんの男性陣はサラリーマンとして安定収入を得て、都心に電車通勤。サザエさんや女性陣は専業主婦として、近所の商店街で買い物をし、家事と育児を担うというものです。
描かれた時代によって違いますが、サザエさん一家は、いつもカラーテレビなどの当時の最新の家電に囲まれて暮らしています。そこには、テレビの前のちゃぶ台を囲んだ一家団らんがあり、日常の波乱を乗り越えていく平穏無事な暮らしがあります。
この中流生活は、大正時代に生まれ戦後、大きく開花しました。東京では霞ヶ関と丸の内に官庁街とビジネスセンターが形成され、働く人々が家庭を形成し、暮らしていく場として郊外が誕生しました。

従って、郊外は通勤できる場所から始まりました。最初の郊外は番町や麹町になります。しかし産業化が進み、サラリーマンや役人が増え、交通機関が、徒歩、馬車や人力車から、鉄道やターミナルに乗り入れた私鉄へと発達するに連れ、どんどん西へと延伸しました。世田谷は、戦前に開発され、戦後に急速に郊外化した地域です。
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