えっ、これで育児参加のつもり? そんな夫に、妻がぶつける「本音あるある」
仕事が忙しく、育児になかなか参加できない男性は少なくありません。子育てに奮闘する妻と円満な家庭生活を築くために、夫はどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。子育て中の筆者が自身の経験をもとに語ります。夫に求める育児のハードルは低い 東京都産業労働局の「平成30年度 東京都男女雇用平等参画状況調査 結果報告」によると、2018(平成30)年の東京都の育児休業取得率は男性従業員16.6%、女性従業員95.9%でした。 いまだに男性の育児参加は乏しいのが現実(画像:写真AC)「ワークライフバランス」「働き方改革」という言葉が叫ばれながらも、いまだに男性の育児参加が乏しい現代の日本。筆者の夫も土日関係なく仕事が忙しいため、筆者はほぼ毎日ワンオペ育児をしています。 しかし、夫に求める育児のハードルがかなり低いことを自覚していながらも、「せめてこれだけはやってよ!」と思ってしまうことは少なくありません。 筆者の経験や周囲の声をもとに、育児に関して妻が夫に感じている“リアル”をご紹介します。 1時間の育児で「褒めて」? それは産後2か月頃。筆者は、毎日昼夜問わない2~3時間ごとの授乳により、寝不足になっていました。そんな状況を見かねた夫はとある日曜日、筆者を少しでも眠らせようと「今から次の授乳まで3時間、ふたりで過ごすよ!」と申し出てくれました。 これまで3時間なんて長い時間、子どものお世話をしたことがなかった夫。心配しつつもその優しい言葉に甘え、寝室で横になることに。産後初めて、隣に息子がいない状態で気兼ねなく昼寝ができることに幸せを感じながら、すぐに眠りにつきました。 その後、寝室に息子を抱っこした夫が訪ねてきたことで目が覚めた筆者。時計を見ると仮眠を始めた時から約1時間しか経過していません。 「ごめん、泣かれっぱなしでもう限界……。もうお腹空いたみたいだから授乳の時間かも」と言われ、仕方なしに昼寝をやめることに。それでも仮眠できたことで、だいぶ疲れが取れた気分でした。 授乳をしていると、夫は「1時間もお世話したよ!すごくない?」となんだかものすごい達成感を覚えている様子。 そうか、1時間……。こちらは24時間365日お世話しているけどなあ。 産後初めて筆者をひとりきりにさせてくれたことに感謝の念を抱きつつも、1時間の育児に対して褒めざるを得ない状況に、なんだかモヤモヤしてしまった一件でした。せめて3時間くらいは安心して任せられるようになりたい、と。 「ママじゃないと泣き止まない」はウソ!「ママじゃないと泣き止まない」はウソ! 産後すぐから赤ちゃんとふたりきりの生活をしている妻と異なり、夫はどうしても妻のサポートに徹したり、指示のもと動いたりといった補助的な役割を担いがち。 それでも、自ら積極的に関わろうとしなければ、赤ちゃんの扱い方を経験として学べず、父子の愛着形成もなされません。 夫が育児に積極的に関わる姿勢を見せることで、妻の精神的負担は軽減する(画像:写真AC) 産後3か月頃。筆者が家事などで手が空いていない時、夫がギャン泣きする息子を自ら抱っこしてくれようとしたことがありました。 「こっちからお願いしていないのに、なかなか頑張っているな」と感心したのもつかの間、1分と経たないうちに「ママじゃないと泣き止まない、パス」と息子をバトンタッチしてきたのです。 そして言われたのが「やっぱりママが大好きなんだね」。 違います。私が好きとか私の抱っこじゃないとダメなのではありません。私は今まで息子はどういう抱き方をすれば落ち着くのかを、毎日24時間悩み苦しみながら正解を模索し続けてきました。 縦抱きや横抱き、ゆらゆらやトントン、鼻歌、立って抱くのか座って抱くのか、首の角度……。あらゆる抱き方を試しながら少しずつ感覚をつかんできたからこそ、なんとか泣き止ませられるようになったのです。 妻と同じくらいの時間をかけることは物理的に難しいとしても、せめて「これはどうかな」「この抱っこが好きかな」と努力する姿勢を夫には見せてほしい。こうすることで、妻の精神的負担はグッと減り、夫婦関係も悪くはなりません。 その姿勢があれば、結果として赤ちゃんを泣き止ませることができなくても、全く構わないのです。 生活音で子どもを起こすのだけはやめて! 育児における難関といえば寝かしつけ。何をやっても寝てくれなかったり、やっと寝たと思ったら布団に置いた瞬間ギャン泣きしたり。赤ちゃんが寝ている時間だけがフリータイムとなる母親にとって、寝かしつけは死活問題です。 筆者の夫は仕事の関係で、息子と筆者がすでに寝た後に帰宅してくることが少なくありません。そこで問題になるのが夫の生活音です。ドアの開け閉め、うがいや手洗い、ゴホゴホという咳、廊下を歩くスリッパ、テレビの音…。 帰宅後の唯一のリラックスタイムをのんびり過ごしていることは十分に分かりますが、それらの生活音で息子が起きてしまうことが産後はたびたびありました。 あまりに生活音がうるさく息子が起きてしまうことが続いた時、夫に「他に何もしてくれなくていいから、せめて起こさないように静かにして……」と泣きそうな顔で懇願したことを覚えています。 産後直後は「ひとり暮らし気分なの?」と怒りたくなるほど、自由きままにデシベルを家の中に放出させていた夫。しかし今では、どのくらいの生活音だと息子にとってうるさいかを十分に理解してくれるようになりました。 赤ちゃんは些細な物音や室温の微妙な変化にも敏感。睡眠時は諸々の環境を整えてあげ、なるべく長くしっかりと眠らせてあげることは、発育のためにも重要でしょう。 また浅い眠りになると、起きている間もグズグズになってお世話が大変になることも。忙しくて育児参加ができないのは仕方ありませんが、せめて自らの生活音で起こさないようにだけはしてほしいものです。 「1センチ残った麦茶」がもたらす疲労感「1センチ残った麦茶」がもたらす疲労感 これは2歳の子どもを子育て中である友人(女性)に聞いた話。 友人の家では友人含め、子どもも夫も毎日麦茶を飲むため、毎日ポットに作り置きをしています。 ある朝、友人が冷蔵庫を開けるとポットに麦茶が底1センチ分だけ残されていたそう。台所には昨晩帰宅後に友人の夫が使ったコップが。 そう、友人の夫は自分が新しい麦茶を作る手間を避けるため、「まだ残っていますよ~」と申し訳程度の麦茶をポットに残していたのです。 ワンオペ育児で疲弊した妻を打ちのめす「1センチ残された麦茶」。写真はイメージ(画像:写真AC) こうした事例は麦茶に限りません。友人の夫は、交換すべきタイミングのトイレットペーパーもお尻を拭くには全く足りないほどごくわずかな量を残すのだとか。 使い切らないために交換する必要性がないことをアピールしているその姑息さに、友人は「せめてトイレットペーパーの交換ぐらいしてよ……」と育児以上に疲れてしまうと話していました。 夫もはじめは分からないことだらけ 今回、筆者の経験として、産後直後の出来事をご紹介しましたが、今では上記のようなことはすっかりなくなりました。 初めての子育ては、妻だけでなく夫も分からないことだらけ。産後は、夫婦の最も大変な時期だというのが今振り返るとよく分かります。 今回ご紹介したようなモヤモヤをひとつひとつ乗り越えて少しずつお互いを尊重して歩み寄り、徐々に協力しながら子育てしていけるようになれば、理想的な夫婦関係、家族関係が築けるのではないでしょうか。
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