花見イベント中止のストレスを癒やしてくれるのは「お台場のチューリップ」かもしれない
宣言解除後も「密」を避ける人たち 友達や同僚とごはんを食べたりお酒を飲んだりして、コミュニケーションする時間はとても楽しいものです。しかし、新型コロナウイルスのまん延後、会食控えが叫ばれ、世間には自粛ムードが漂っています。 春は別れと出会いの季節であり、本来なら送別会・歓迎会があちこちで開催されているはずでした。しかし2回の緊急事態宣言、そして宣言解除後も「密」を避けるように繰り返し注意が促されています。 花見シーズンである3月から4月にかけて、サクラの名所には多くの人が詰め掛けます。東京都内にも ・上野恩賜公園(台東区上野公園) ・飛鳥山公園(北区王子) ・隅田川 ・目黒川 といった名所は多く、昼夜を通じて花見で盛り上がります。 コロナの影響で大勢で集まって飲食を伴う花見はできないため、2021年の花見は桜並木をそぞろ歩いて楽しむといったスタイルに切り替わっています。 コロナ禍における花見の在り方 世間で言われているように、私たちができるコロナの予防策は密を避けることが最善です。 とはいえ、ずっと家にこもっているわけにもいきません。外出して気分転換をしたり、遊びたくなったりするのは誰でも同じです。特に春は気分が高揚して、出掛けたくなる季節です。 パレットタウンの観覧車近くの広場に植栽されたチューリップ(画像:小川裕夫) サクラの名所は人でごったがえしてしまいますが、近年はサクラではない花見も盛んに提唱されるようになりました。サクラと比べると穴場スポットになるので密になりにくく、それゆえにコロナ禍における花見としては打ってつけです。 とはいえ、花を愛(め)でるために人里から離れた山奥へ足を運ぶのは非現実的です。そこまでしなくても、東京の都心部にはサクラ以外の花を楽しめる穴場スポットがたくさんあります。 都内の穴場スポットとは都内の穴場スポットとは そうした穴場スポットで近年注目されているのが、東京湾の「13号埋立地」、いわゆる台場エリア一帯に植栽されたチューリップです。 日本科学未来館前で咲くチューリップ(画像:小川裕夫) 港区・江東区・品川区の3区にまたがる台場エリアには、遊歩道でもあり公園でもあるシンボルプロムナード公園(港区台場)が整備されています。 シンボルプロムナードはおおむね、 ・テレコムセンタービル(江東区青海2)から日本科学未来館(同)を経てダイバーシティ東京プラザ(青海1)まで南北に延びる「ウエストプロムナード」 ・ダイバーシティ東京プラザからヴィーナスフォートやパレットタウンの前を横切る東西に延びる「センタープロムナード」 ・センタープロムナードから東京ビッグサイトまで延びる「イーストプロムナード」 の3エリアに分かれています。 どのエリア内でも咲き誇るチューリップを目にできますが、ライトアップなどもされているので、風景は昼と夜とでがらりと変わります。それらを比べながら散策してみてもいいかもしれません。 約300品種・20万本が植栽 シンボルプロムナード公園で咲き誇るチューリップは歳月を経るごとに数を増やし、規模も拡大してきました。その膨大な数にも驚くばかりですが、チューリップの植え込みは広大なシンボルプロムナードの各所に点在しているので、遊歩道を散策しながら色とりどりのチューリップを鑑賞できます。 これらシンボルプロムナード公園内に植栽されているのは、全国的にもチューリップの産地として有名な富山県砺波市(となみし)のチューリップです。それらが約300品種・20万本が植えられているのです。 東京ビッグサイトが見渡せる場所にもチューリップが咲き乱れる(画像:小川裕夫) お台場の一帯は2020東京五輪で競技会場としても使用されることから、2020年からシンボルプロムナード内の一部が工事をすることになり立ち入り禁止になりました。立ち入りができなくなっているのは、あくまでも一部の区域です。チューリップ鑑賞には特に支障は出ていません。 公園はもちろん屋外なので密になりにくく、遊歩道にはベンチが設置されているので、お弁当やお茶を楽しみながらの鑑賞もできます。また、公衆トイレもきちんと整備されているので、幼児を連れての散策も安心です。 チューリップの見頃は3~5月チューリップの見頃は3~5月 長い緊急事態宣言は明けましたが、まだ油断はできません。そのため、多くの場所で花見の自粛が呼びかけられています。 かといって、私たちの我慢も限界に達しようとしています。密を避けながら少しでも春を楽しむためにも、サクラではなく、ほかの花に目を向けてみるのもいいかもしれません。 チューリップの見頃は3~5月と言われていますが、2021年は暖冬の影響もあって例年より早めです。
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