人間にとって本来「心地よい」場所とは? 東京都「外出自粛要請」のなか考える
2020年3月28日
ライフ新型コロナウイルスの影響で社会が息苦しくなるなか、「メンタルマップ」「サードプレイス」という概念で自分と向き合おうと、法政大学大学院教授の増淵敏之さんは訴えています。
外濠からの美しい眺め
2020年も桜は開花しましたが、新型コロナウイルスの影響で外出する機会がなかなかありません。

筆者(増淵敏之。法政大学大学院教授)の勤務する学校が近い外濠(そとぼり)公園は観桜の定番スポットです。日を浴びてきらめく濠の水と、桜のコントラストが魅力的に映っています。
最近、新見附橋(新宿区市ヶ谷田町)から飯田橋方面を見渡すと、視野を遮断していた木々が伐採されて、堀の中にあるレストラン「CANAL CAFE(カナル カフェ)」(新宿区神楽坂)まで見渡せるようになりました。
職場がある市ヶ谷は東に神楽坂があるので、飯田橋方面にしばしば足を向けます。反対の四谷方面にはほとんど行きません。そのため筆者の捉える市ヶ谷かいわいは、メンタルマップでいうと、飯田橋方面に広がっているということになります。
メンタルマップとは何か
メンタルマップとは、自らの行動範囲について記憶を基に地図化する作業のことです。例えばメンタルマップを自由に描いてみると、そこには書き手の持つ「空間的知識の広がり」が反映されます。
例えば自分の職場が都心部にあると仮定すると、手書き地図には都心部から居住地に向けて扇型の範囲で地図が描かれる傾向が強いといわれています。

練馬在住の筆者であれば、市ヶ谷から練馬方面、つまり渋谷や新宿、池袋ということになります。確かに日常で銀座や日本橋、上野、浅草は用がない限り足を運びませんし、青山や六本木も同様です。メンタルマップはようするに、自分の「生活圏」ということになります。
おそらくその範囲に行きつけの場所、習いごとをする場所、買い物に行く場所などが点在しているのだとも思います。もちろん「心地よい」場所や風景のきれいな場所という個人にとっての特別な場所もあるのかもしれません。

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