都心の小学校で「冬休み明け」から欠席者がチラホラ出始める理由
都心の小学校では、冬休み明けから欠席者が出始めます。いったいなぜでしょうか。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。勝負は冬休み明けすぐから 私立中学校の受験者が多い都心の小学校では、冬休み明けから欠席者がチラホラ出始めます。2月1日の都内の受験日解禁まで時間はあるはずですが、いったいなぜでしょうか。 その答えは……埼玉県の私立中学入試が冬休み明け早々、1月10日からスタートするためです。 彼らにとって埼玉県の私立中学入試は、都内の第1志望受験に向けての、いわば「お試し受験」。ということで、2月1日に解禁される東京の私立中学入試に向けて日夜頑張っている小学6年生は、1月中も都内の受験日解禁までの3週間近く忙しい日々を過ごしているのです。 中学受験のイメージ(画像:写真AC)まずは埼玉 埼玉の私立中学入試には例年、志願者が殺到します。解禁日の1月10日に1回目の入試を行う栄東中学校(さいたま市)では、初日の受験者数だけで男女合わせて6000人を超えました。 入試は1月16日(木)までに4回行われ、合計1万人を超える小学生が受験しました。このことからも、第1志望から併願、お試しなど、さまざまな目的の受験者たちがいることがわかります。 東京の受験生、千葉にも遠征 埼玉の私立中学入試のピークが過ぎると、次は千葉県の解禁(1月20日)が待っています。 千葉の私立御三家と言われている市川中学校(千葉県市川市)、東邦大学付属東邦中学校(同県習志野市)、渋谷教育学園幕張中学校(同県千葉市)の入試日は別々に行われます。 中学受験のイメージ(画像:写真AC) 都内解禁の10日前ということもあり、埼玉同様、都心の子どもたちも多く受験。中でも市川中学校の1回目の試験は幕張メッセ(同県千葉市)で行われ、スケールの大きさは有名です。なお、私立御三家の志願者数を合わせると7400人を上回ります。 東京でも本番直前期に突入東京でも本番直前期に突入 千葉の私立中学入試が一段落した時期から2月1日の都内の受験日解禁まで、子どもたちは1週間ほど間が空きます。その間、普段どおりに通学をするのか、曜日を選んで登校するのかという判断は、家庭によってまちまちです。 中学受験のイメージ(画像:写真AC) インフルエンザなどの感染が気になり、第1志望の入試日まで登校を控える家庭もあるでしょう。しかし、親が心配し過ぎるあまり、外部との接触を遮断することはかえって子どものストレスを溜めてしまい、悪影響を及ぼします。子どもの考えを無視し、親主導で受験当日以外の欠席を決めるのは避けましょう。 子どもたちに適切な配慮を 中学受験を決めてから入試当日まで、何年もの月日を費やします。その集大成に向け、11歳や12歳の子どもたちが年明けから埼玉や千葉に遠征し、第1志望の入試日に目がけて全速力で駆け抜けようとしています。 受験までのラスト1か月間に「必要以上に小学校を休むべきか」と親子で悩む前に、子どもにとってより最適な過ごし方は何かという視点を持ち、悔いのないよう中学受験に臨みましょう。
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