中央大学の誇り「法学部」の都心移転が巻き起こす私大文系の乱
2020年1月21日
ライフ八王子市にある中央大学法学部が2023年、キャンパスを都心に移します。いったいなぜでしょうか。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
中央大学、郊外移転のワケ
少子化に伴い、大学間での学生獲得は熾烈(しれつ)を極めています。そのため、1980(昭和55)年前後から押し進められたキャンパスの郊外移転は近年、変革のときを迎えています。東洋大学は2021年に朝霞キャンパス(埼玉県朝霞市)からの学部撤退を表明し、文系学部のほとんどが都内のキャンパスに集約されることとなりました。
都心回帰の動きはMARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)の中で唯一、大学本部を郊外に持つ中央大学(八王子市東中野)でも見られます。同大は2018年12月、看板学部である法学部を2023年に都心キャンパスへ移転することを発表しました。

中央大学が八王子にキャンパスを移転したのは、1978(昭和53)年です。その理由は、1960年代から1970年代初頭にかけて盛り上がりを見せた学生運動を遠ざけるためだったと言われています。
私立大学の最古参にあたる中央大学は学生運動が盛んで、当時、講義を行うのもままならない状況でした。そのため、騒ぎとは無縁の新しい場所を求める必要が出てきたのです。
それ以外にも、ベビーブーム世代以降の大学志願者の急増も影響しています。大学側が定員増加で対応しても、既存のキャンパスでは収容が間に合わない状態に。近隣で新たに土地を取得しようにも、都心の土地価格は高騰し、簡単に手が出せません。そこで郊外である八王子に、広々とした大学施設を新築することになったのです。

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