スマホとテレビのダブルパンチ? 都内小学生の睡眠時間を奪い続けるIT社会の功罪
2019年11月26日
ライフ一般的にスマホやタブレットでの視聴時間が増えると、テレビの時間が減ると考えられますが、都内の小学生は違いました。その現実について、教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
小学生の約36%はスマホを所持
スマートフォン(以下スマホ)の普及に伴い、スマホを持っている小学生が年々増加しています。内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、自分専用のスマホを所持している小学生の割合は35.9%に達しています。格安スマホも次々と登場していることから、買いやすさを背景に所持率は今後も上昇していくでしょう。

一般的にスマホやタブレットでの視聴時間が増えると、テレビの時間が減ると考えられます。このことは、都内の子どもたちにも当てはまるのでしょうか。今回は、全国規模の調査と東京都の調査から浮き彫りになった、都内の小学生の姿に迫ってみようと思います。
インターネットの利用時間は4年で15%増
内閣府が実施する「青少年のインターネット利用環境実態調査」を見ると、平成26年度から平成30年度までの4年間で子どもたちのテレビ視聴時間が減少し、代わってインターネットの利用時間が増加していることがわかります。小学生が自分専用のスマホや家族共有の端末を使って楽しんでいるのは、ゲームや動画視聴が上位を占めています。
オンラインゲームや動画視聴に欠かせないインターネットの利用時間は平成26年度で平均83.3分だったのが、平成30年度には118.2分と4年間で30分以上も増加しています。また、2時間以上利用している児童の割合も同様に増加。平成26年度では24%、4年後の平成30年度には39.4%と15ポイントもアップし、長時間の利用が顕著となっています。この傾向は東京都に住む小学生にも見られます。

東京都教育委員会が毎年行っている「東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査」の結果から、携帯等での視聴時間をみると4年間で利用時間が伸びています。
例えば、小学4年生で利用が1時間未満の児童の割合は平成26年度で70.3%、28年度は72%となったものの、平成30年度は49.1%と激減しました。同じく小学4年生で携帯等で2時間以上の視聴をしている児童は平成26年度は10.5%、28年度は10%と大きな変化はなかったものの、平成30年度に24.8%と2倍になっています。
短時間利用者の割合が減り、全学年で長時間化している傾向も見られ、テレビ視聴からスマホでの動画視聴に流れていると考えるのが妥当です。

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