都内「小学校プログラミング教育」で生じる、期待と現実の大きすぎるギャップ
2020年1月13日
ライフ2020年度から始まるプログラミング教育。東京都の現状について、教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
自治体任せの現状
新しい学習指導要領が2020年4月から始まります。その目玉は、小学校での英語教科化とプログラミング教育といっても過言ではありません。
英語は小学3、4年で外国語活動として、小学5年以上では教科として扱われ、成績がつけられるようになります。しかし、もうひとつの目玉であるプログラミング教育は新たに教科が設けられるわけではありません。

文部科学省は2017年度に学習指導要領の改定を告示しましたが、具体的な授業内容や対象学年などが提示がされておらず、各自治体任せの状態が続いているのです。
そこで今回は、新しい学習指導要領の下、東京都が小学生にプログラミング教育をどのように教えようとしているのかを紹介します。
明確な規定がないプログラミング教育
プログラミング教育と聞くと、多くの人はパソコンやタブレット端末を使った授業を想像するでしょう。また日本政府は、公立小中学校の生徒ひとりに対してICT(情報通信技術)機器1台を推し進めていることから、そのようなニュースを見聞きすれば、誰もが「新しく始まるプログラミング教育用のため」と思うはずです。
しかし現実的に考えれば、教職員の激務が問題視され、働き方改革待ったなしの状況の公立学校で、パソコンやタブレットを使った授業に関する研修を実施することは極めて困難です。場合によっては、教職員よりプログラミング教室に通っている生徒の方が操作するのも説明するのも上手という可能性があるのです。

新しい学習指導要領の中には、「プログラミングを体験しながら論理的思考力を身につける」という文面が数回登場しており、その一環としてパソコンなどの使用を強制することは明確に書かれていません。
そのため、通常の授業内で論理的思考力を学ばせる――と解釈することもできるのです。東京都も2020年度からスタートするプログラミング教育を、そのような解釈で乗り越えようとする向きがあります。

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