景品ゲーム機が「ゲーセン」救う? ピークの7割、救世主は「3本の爪」だった
2019年4月23日
ライフリーマンショック以降、大幅な落ち込みを見せていたゲームセンター市場。しかし数年前から底を打ち、2017年度は前年比3.1%増の回復を見せています。
売上の多くを支えるプライズゲーム
――日本アミューズメント産業協会のレポートでは、店舗数の減少が著しい理由について、不採算店舗の撤退や運営企業の廃業、事業譲渡が進んだとしています。
理由のひとつとして、ゲームセンターというビジネスモデルが「限界」を迎えているためです。限界を占める大部分は、店舗の「利益率」の部分です。ゲーム機の価格が年々高騰していく中、売上減が続くと新規マシンを導入できなくなります。そうした店舗は競合力が薄れ、顧客が他店舗に流れてしまうといった、負のスパイラルに陥ります。
また、消費税増税の影響も大きいですね。ゲームセンターのゲームは、一般的にワンコイン(100円)から2コイン(200円)で遊べると考えられています。そのため、増税となっても値上げに踏み切れず、増税分(3%)がそのまま利益から削られます。
近年のオンライン使用のビデオゲーム機は、レベニューシェア(成果報酬型の契約)がほとんどです。ゲーム機の金額を抑える代わりに、店舗の売上の一部、例えば「100円の売上に対して、店舗が20円程度をゲーム機メーカーに支払う」ことになっており、これも店舗の利益を削る一因となっています。そのような状況下で、体力のある大型店舗以外は店舗を維持できず、廃業や事業譲渡、業態転換が進んでいるのです。

――その一方、プライズゲーム、特に大型景品に対応した3本爪のクレーンゲームが好調です。なぜですか。
現在、ゲームセンターの売上はプライズゲームが支えています。一部の店舗では、店舗全体の売上高に占める割合が50%を超えています。
3本爪クレーンが好調な要因は、3本爪がプレイヤーに「景品を取れやすそう」と感じさせるからです。実際、多くの3本爪のクレーンゲームは、景品をそこそこ持ち上げ、1プレイに対して何らかのアクションを加えます。
それ以前にあった、2本爪のクレーンゲームのプレイ方法が2000年代中ごろから変わり、クレーンのアームで「景品を持ち上げて穴に落とす」から、「景品を少しずつ移動させ獲得する」といった形式に変わりました。
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