小学校から遠足が無くなる!? それでも生き残る遠足の名所とは

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小学校から遠足が無くなる!? それでも生き残る遠足の名所とは

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日野京子

エデュケーショナルライター

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かつて小学生だった頃、だれもが心躍らせた遠足も今では実施数が減り、遠足が無い学校もあるそうです。あの日のワクワクをもう一度!ということで、大人でも遠足気分を味わえる東京のおすすめスポットを、エデュケーショナルライターの日野京子さんが紹介します。

 小学校生活で楽しい行事の代名詞の一つといえば「遠足」。週休2日制になる前に小学校生活を送っていた世代では、春と秋の年2回遠足に行った経験がある方が多いことでしょう。

お弁当も遠足の楽しみの1つ(画像:photoAC)



 「バナナはおやつに入りますか」という有名な遠足絡みのセリフは昭和、平成そして令和へと受け継がれています。

 しかし、おやつ持参という「お楽しみ特典」のある遠足ですが、近年はアレルギーを持つ子どもも珍しくありません。そのため、トラブルを未然に防ぐためにおやつ交換禁止や持参禁止としている小学校も増えています。

 さらに、現在のように週休2日制で1年間のカリキュラムを終わらすには、1日を費やす遠足を行うことは難しい面があります。

 授業時間の確保のため、昔ながらの遠足を行うのは低学年が多く、学年が上がると遠足ではなく社会科の授業の一環として行われる「校外学習」を実施する学校が増えています。

東京の小学生も遠足で行く場所とは

 小学生にとって、クラスメイトとの交流や絆を深める遠足の意義は大きいものです。自然豊かな公園を散策し、遊具で遊びそして芝生広場で昼食を食べる。たったそれだけでも、思い出に残る行事です。

公園で食べるお弁当は小学生でなくとも楽しい(画像:photoAC)

 地方の小学校と異なり大都市である東京には「高層ビルがすぐそばにある」という小学校もあり、遠足の定番である公園が少ないように思えますが、実は都心にも自然あふれる公園が点在しています。東京には文化施設も多くあり、遠足先として選ばれているようです。

 みなさんも、天気の良い日は童心に帰り、小学校の遠足先として選ばれている公園に足を運んで久しぶりの遠足気分を味わってみてはいかがでしょうか。

都立汐入公園

 2006年に開園した「都立汐入公園」は、隅田川がU字に大きく曲がる内側にあります。荒川区の白髭西地区の大規模再開発事業により誕生しました。

 公益財団法人 東京都公園協会によると「豊かで多様な水辺と緑に彩られた、活力と潤いのある川辺のひろば公園」をテーマにしています。隅田川に面した12.9ヘクタールもの広大な敷地には遊具や展望台広場といった施設が充実。

 荒川区で唯一、バーベキュー可能(要予約)な公園となっていますが、災害時に炊き出しができる防災拠点としての役割も担っています。

 広々とした広場にシートを敷いてお弁当を食べるとピクニック気分を満喫できます。公園の南方向にある「スカイツリー」が見えるほど、周囲には眺望を妨げる高層ビルがほとんどなく開放感にあふれています。

荒川区南千住8丁目
JR常磐線・東京メトロ日比谷線・つくばエクスプレス 南千住駅から徒歩12分

林試の森公園

 東京の公園というと「こんな都会に自然豊かな公園が存在しているの?」と感じることがありますが、まさにそういった気分を味わえるのが「林試の森公園」です。品川区と目黒区にまたがり、12ヘクタールの広大な敷地にはうっそうと茂った木々があり、都心とは思えないほど迫力があります。

 「林試」という公園名から分かるように、元々は林業試験場でした。1900年に設置された「目黒試験苗圃」から歴史が始まり、1910年に「林業試験所」と名を改めて茨城県つくば市に移転する1978年まで研究機関として使用されていました。

 その後、公園としての整備が進み1989年6月に都立公園として開放され、都会のオアシスとして親しまれています。長きにわたり国の研究機関として運用されてきたこともあり、一見すると都心とは思えないような巨木もある公園です。

 夏期は小学3年生以下を対象とした「ジャブジャブ池」が利用できますが、混雑緩和のため2021年度から予約システムを導入しています。
 
目黒区下目黒5丁目、品川区小山台2丁目
東急目黒線・都営三田線・東京メトロ南北線 武蔵小山駅から徒歩10分

葛西臨海公園

 海に面している東京には、海を一望できる公園があります。80.6ヘクタールという都内でも屈指の広さを誇る「葛西臨海公園」です。

 「芝生広場ゾーン」「汐風の広場ゾーン」「水族園ゾーン」「鳥類園ゾーン」「エントランスゾーン」と大まかに5つのゾーンに区切られ、公園全体が大きな防波堤の役割を果たしています。 

小学生の格好の遊び場・干潟(画像:photoAC)



 広大な敷地なため、遠足のように時間が限られている学校行事では全てを回ることは難しい面もありますが、天候に左右されずに遠足を決行できるのが水族園ゾーン内の「葛西臨海水族園」です。

 同施設のシンボルでもあるガラス張りのドームの下にあるのが大水槽です。圧巻のクロマグロの群泳は世界的にも珍しく、水族園の目玉になっています。

江戸川区臨海町6丁目
JR京葉線 葛西臨海公園駅から徒歩1分

国立科学博物館

 桜の名所として名高い「上野恩賜公園」にある国立科学博物館(2022年5月13日現在、入館はオンラインでの事前予約が必要)は大人も子どもも楽しめる文化施設。博物館の前にある巨大なシロナガスクジラのオブジェが目印です。

 3階建ての「日本館」と地上3階地下3階建ての「地球館」の二つの館で構成されています。2000年代は改修やリニューアル工事などもありましたが、2015年に地球館がリニューアルオープンし現在に至ります。

 日本館2階には渋谷駅の忠犬ハチ公像として知られる「秋田犬ハチ公」の剥製が展示され、地球館では多種多様な哺乳類の剥製の展示や科学技術の進化を学べる内容になっています。

 特別展や企画展も頻繁に行われメディアやSNSで話題になることも多いです。ホームページで気になる展示が行われるかどうかチェックするのも楽しいですね。

台東区上野公園 7-20
JR山手線・高崎線・宇都宮線・京浜東北線・常磐線・上野東京ライン 上野駅から徒歩5分
東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅から徒歩10分
京成線 京成上野駅から徒歩10分 

普段の学校生活では味わえない遠足

 東京の小学生も遠足として訪れている公園や文化施設。子どもだけでなく大人もリフレッシュを兼ねて楽しめる場所です。

 「東京」というと高層ビルや繁華街というイメージが強いですが、たくさんの緑豊かな公園も存在しています。今回紹介したスポットは都心のオアシスに足を運び、気分転換をしてみてはいかがでしょうか。

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