「ぽん酢」という奇妙な名前 実は東京などで使われていた「方言」だった!

鍋料理に欠かせないものといったら、ぽん酢です。このぽん酢、実は東京や関西の一部で使われていた方言でした。いったいなぜ全国に広まったのでしょうか。食文化史研究家の近代食文化研究会さんが解説します。


そういえば奇妙な名前

 すっかり秋めいて気温も下がり、鍋料理がおいしい季節になってきました。鍋料理に欠かせない調味料といえば「ぽん酢」です。

「ぽん酢」の文字(画像:ULM編集部)

 しかし、このぽん酢という奇妙な名前は

・いつ
・どこで
・なぜ

生まれたのか、皆さんご存じでしょうか?

1964年まで一般的ではなかった

 1958(昭和33)年発行の平凡社『飲食事典』に、ぽん酢の文字はありません。ぽん酢に相当する言葉は「果実酢」です。

平凡社『飲食事典』(画像:平凡社)

 実際には何の果実を使うかによって名前が決められ、橙(だいだい)を使うならば橙酢、柚子(ゆず)を使うならば柚子酢とよぶのが、当時は一般的でした。

 実はこのぽん酢という言葉は東京で生まれたもの。1964年までは東京や関西の一部で使われていた方言でしかなく、全国区で通用する言葉ではなかったのです。

名前の発祥地は東京だった

 橙のようなかんきつ類の果汁を調味料として使う文化は、温暖な九州、四国、中国地方の伝統。そのため、この地方で生まれたちり鍋、水炊きには橙酢が使われてきたのです。

 明治時代に地域間の文化交流が活発になり、1890年代の東京において九州中国地方のちり鍋が流行するようになります。その流行を描いた1893(明治26)年の『東京百事流行案内』には「橙醤油」を調味料に使うとあります。

東京におけるちり鍋流行を描いた『東京百事流行案内』(画像:国立国会図書館ウェブサイト)

 東京の新聞・時事新報1893年9月29日に鯛のちり鍋レシピが掲載されました。ところがそこでは橙酢ではなく「ポン酢」という言葉が使われています。

「ぽん酢」は「ポンス」の流用だった


【画像】約130年前の「鯛のちり鍋」レシピ

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