アニメ『ヤマノススメ』も人気 近年、美少女「大自然漫画」が人気を集めるワケ
近年、大自然のなかで趣味を楽しむ女の子を描いた漫画が台頭しています。いったいなぜでしょうか。第3シーズンまで放映された『ヤマノススメ』と高尾山を例に考えます。登山をテーマにした漫画『ヤマノススメ』は、しろ原作の女子高生の登山をテーマにした漫画です。2013年よりアニメがスタートし、現在、第3シーズンまで放映されています。最新作『ヤマノススメ Next Summit』の制作も発表され、まだまだ人気は衰えません。 ブルーレイ『ヤマノススメ サードシーズン 第1巻』(画像:(c) しろ/アース・スター エンタ―テイメント/『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会、スマイラルアニメーション) 同作の内容は、インドア志向の女子高生・あおいが、アウトドア志向の幼なじみ・ひなたとの再会をきっかけに、登山の楽しさに目覚めていくというもの。しろの同人誌実録エピソードをベースに作られており、あおいたちが挑戦する山は気軽に行けるものから、本格的な装備を必要とする山まで多岐に及びます。 近年はドラマ化された『ゆるキャン』を始め、大自然のなかで趣味を楽しむ女の子を描いた漫画が台頭しています。田舎の少女たちのゆるい日常をつづる『のんのんびより』、高尾山のちび天狗(てんぐ)とOLの4コマ『高尾の天狗と脱・ハイヒール』、スキューバダイビングを扱った『あまんちゅ!』などは、男女問わず幅広い層に支持されています。 コロナ禍の外出自粛と関係? ヤマノススメやゆるキャンがヒットしたのは、登山やキャンプなど、これまで男性主流のイメージであった趣味を、かわいい女の子たちに置き換えたことにあるのではないでしょうか。このポジティブなギャップが、新しい魅力につながったのだと筆者は推察します。 ブルーレイ『ヤマノススメ サードシーズン 第2巻』(画像:(c) しろ/アース・スター エンタ―テイメント/『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会、スマイラルアニメーション) 男性よりも非力な少女たちが大自然に挑み、仲間と助け合って目標を達成する姿は応援したくなりますし、楽しそうにしている姿にも癒やされます。 また、コロナ禍で外出を自粛する風潮も関係しています。休暇中も家にいるしかないならと、漫画でアウトドアライフを追体験する読者が増加しているのことも、大自然作品が注目されている理由のひとつだと考えます。 今回は、ヤマノススメに出てくる東京の山・高尾山の魅力について、漫画のシーンを交えながら紹介します。ぜひ、漫画とともに山の魅力を知り、漫画も山もより楽しんでいただければと思います。 高尾山の奥深さをクローズアップ高尾山の奥深さをクローズアップ ヤマノススメのアニメファーストシーズン7話で、あおいとひなたは東京都八王子市の高尾山に登ります。高尾山は標高599m、ミシュラン三ツ星を獲得した名山です。また、昔から天狗が住むとも言い伝えられ、高尾駅には天狗の顔面の石像が建っています。 高尾山からの景色(画像:写真AC) 高尾山は風光明媚(めいび)で、見どころ満載。高尾山口駅から徒歩で登るのもよいですが、体力に自信がなければ、ケーブルカーやリフトを利用するのがおすすめです。山腹の緑は目の保養になり、急勾配のリフトはスリリングで、風を切る爽快感が味わえます。 コースの途中には樹齢500年ともいわれるスギの大樹があり、パワースポットとして人気です。リスやムササビも生息しているので、運が良ければ出会えるかもしれません。 作中での高尾山の扱い方 本作であおいとひなたが登ったのは「1号路」です。坂道がやや急なもののきれいに舗装されており、家族連れやお年寄りも多く見かける登山道です。 作中で、あおいはすぐに体力が尽きてひなたにあきれられています。このシーンからも、山登りは無理せず自分のペースを維持するのが大事ということがわかります。山頂からは東京タワーやスカイツリーも見え、登山の疲れも吹き飛びます。 売店「高尾山スミカ」(画像:(C)Google) 売店「高尾山スミカ」の名物、三福だんごはあおいとひなたもお気に入り。高尾山に来た折には、ぜひ食べてみるといいでしょう。 誰が登っても満足できる高尾山誰が登っても満足できる高尾山 ヤマノススメにおける高尾山は、あおいがひなたに素直な気持ちを伝え、お礼を渡した思い出の場所でもあります。初心者からベテランまで、誰をも受け入れる懐の深さが高尾山の魅力なのです。 アニメ7話の終盤、下山中のあおいとひなたは靴を傷めて途方に暮れている少女・ここなを助けます。ここなを助けて山を下りる時の会話で、彼女が高尾山に登った動機はモモンガに会いたかったからだと判明します。 モモンガ(画像:写真AC) 豊かな植生と湧き水に恵まれ、人工林と原生林が融合した高尾山には、多種多様な動物が暮らしています。愛くるしいニホンリスやニホンモモンガ、アナグマやタヌキなど……東京近郊でレアな小動物に会いたければ、定期的に実施される観察ツアーに参加してみましょう。高尾山のマスコットキャラ、ムッちゃんとムサ尾さんが出迎えてくれます。 以上、大自然漫画が人気を集めているワケと「ヤマノススメ」に登場する高尾山の魅力を紹介しました。
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