長年の悲願達成も、相模鉄道「都内乗り入れ」が手放しで喜べないワケ
2019年12月2日
知る!TOKYO相模鉄道の西谷~羽沢横浜国大駅間開業で、相鉄の電車が東京を走ることになりました。通勤・通学客にとってはメリットばかりに見えますが、実はそうでもないようです。フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。
直通は大きなターニングポイント
2019年11月30日(土)、神奈川県に路線網を有する相模鉄道(相鉄)が西谷~羽沢横浜国大駅間を開業させました。羽沢横浜国大駅からはJR線へと乗り入れるため、これによって相鉄の電車が東京を走ることになります。

横浜駅をターミナルにする相鉄は大手私鉄のひとつに数えられますが、これまで東京に直通する電車はありませんでした。通勤・通学需要の高い東京への進出は相鉄の悲願でもあり、今後の成長戦略を考える上でも重要な施策です。
これまで東京から相鉄沿線へと足を運ぶには、横浜駅や海老名駅、湘南台駅などから乗り換える手間がかかりました。今回の直通は相鉄にとって大きなターニングポイントになりますが、沿線住民や利用者にとっても大きな出来事といえます。
一時期、鉄道業界では「シームレス化」がキーワードになっていました。そうした流れを受け、国内の鉄道は他社線との相互乗り入れが積極的に進められました。シームレスとは、「継ぎ目のない」という意味の言葉です。
それまで乗り換えなければ移動することができなかった区間が、相互直通運転により乗り換えなしで移動できる――これが、鉄道業界の目指したシームレス化です。
シームレス化の推進により、東京圏の鉄道はできるだけ乗り換えをせずにあちこちに移動できるようになりました。また、同じJR線でも各路線に乗り入れるようになっています。
そうした直通運転の拡大により、利用者の利便性が高まったことは事実です。相鉄が東京への直通運転を開始したことにより、東京~神奈川間の移動がいっそうと便利になることは言うまでもありません。
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