図鑑ワールドを全力体験! 斬新なデジタル最新技術を楽しめる都内「エデュテインメント施設」とは

近年、都内に相次いでオープンしているデジタルアート系エデュテインメント施設の魅力について、文殊リサーチワークス・リサーチャー&プランナーの中村圭さんが解説します。


遊びながら自然に学べる施設

 2021年も引き続きコロナ禍の夏休みとなりました。第4波の感染拡大のなか、遠出の旅行は自粛が求められ、2020年同様、多くの人が近場で過ごしています。

 そんななか、都内ではデジタルアート系エデュテインメント施設が相次いでオープンしています。エデュテインメントは

・エデュケーション(教育)
・エンターテインメント

をあわせた造語で、遊びながら自然に学ぶことを意味します。

 ここで言うデジタルアート系エデュテインメント施設とは、プロジェクションマッピングやAR(拡張現実)などのデジタル最新技術を駆使し、インタラクティブ(双方向)性の高い参加・体験型のアトラクションや遊具を有する施設で、近場で夏休みに親子で利用するには適している施設です。

 7月16日(金)には図鑑の世界に入り込む新感覚の体験型デジタルミュージアム「ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑NEO」(中央区銀座)がオープンしました。主催しているのは、佐々木ホールディングス、小学館、エイド・ディーシーシー、ドリル、電通、サニーサイドアップ、朝日新聞社の7社が設立したずかんミュージアム有限責任事業組合です。

「小学館の図鑑NEO」とは小学館から発売されている図鑑シリーズで、累計発行部数約1100万部を超える小学館の看板書籍です。その名を冠する同施設はまさに図鑑の世界に入り込んだような参加型・体験型ミュージアムとなっています。

・ディープフォレストゾーン
・アンダーウォーターゾーン
・ワイルドフィールドゾーン
・ウォーターフォールゾーン
・アントビューゾーン

の五つのエリアから構成され、ナビゲーターアイテム「記録の石」を使って館内で出現する生き物の検知や記録を行うことができ、最後にたどり着くエリアでは記録した生き物が飛び出すエンディングが待ち受けています。

「ZUKAN MUSEUM GINZA powered by 小学館の図鑑NEO」の様子。「記録の石」を使って生き物の検知や記録を行える(画像:ずかんミュージアム有限責任事業組合)



 初日3日で約3000人の来場者数を記録し、すでに好評を博している状況。平日、土日の夕方までは込み合っていますが、夕方以降は余裕があるのでそちらがねらい目でしょう。

バーチャルのチョウを捕まえられる体験も

 また、チームラボとKDDIは「GINZA 456 Created by KDDI」(中央区銀座)で6月30日から8月22日まで、スマートフォンでチョウを捕まえ、コレクション図鑑をつくる展覧会「GINZA 456 & チームラボ:捕まえて集める境界のない群蝶」を開催中しています。

「捕まえ、観察し、解き放つ」をコンセプトに、探索し、さまざまな種類のチョウを捕まえ、観察し、自分のコレクション図鑑をつくっていく新しい学びのプロジェクトです。

 スマートフォンアプリ「GINZA 456 & teamLab」をダウンロードし、アプリのカメラで空間を羽ばたくチョウを見て「観察の矢」を放つと、現実の空間に矢が飛んでいき、矢が当たったチョウは消え、自分のスマートフォンの中に捕まえることができます。

「GINZA 456 & チームラボ:捕まえて集める境界のない群蝶」の様子(画像:KDDI)



 捕まえたチョウをアプリのカメラで見えている場所に投げ込むと、リリースされてその場所に戻り、チョウはリアルな世界とデジタルな世界を行き来します。観察したチョウの情報はアプリの図鑑にコレクションされ、同じチョウでも捕まえれば捕まえるほど、より詳しい情報が書き込まれていきます。

 夏休みの昆虫採集が思い出されるようなプログラムと言えるでしょう。スマートフォンにとまるチョウの動きなど、きめの細かい演出にも心動かされます。

 期せずして図鑑をテーマにした施設が相次いでオープンしていますが、図鑑という言葉には子どもだけでなく大人も引かれるものがあるのではないでしょうか。図鑑は子どものころ百科事典と並んで親が買いそろえてくれる書籍であり、特に夏休みは自由研究などで図鑑を見る機会が多く、夏休みの思い出と共に懐かしく思い浮かべる人もいるでしょう。いずれも夏休みに親子で利用するのにはぴったりな施設と言えます。

源流は2006年から

 エデュテインメント施設の代名詞と言える「キッザニア東京」(江東区豊洲)が2006(平成18)年にオープンしてから15年がたちましたが、同施設はその後多様化し、現在もさまざまな形態で活発に開発が進展しています。そのひとつの方向性がデジタルアート系エデュテインメント施設です。

キッザニア東京のウェブサイト(画像:KCJ GROUP)

 2015年にオープンしたチームラボの「チームラボ学ぶ!未来の遊園地」(埼玉県富士見市、その後神奈川県平塚市などにオープン)では、自分で描いた魚がスクリーンのなかの水族館で他の魚と一緒に泳ぎだす「お絵描き水族館」や、すべり台でボールに当たるとフルーツが育つ「すべって育てる!フルーツ畑」など、そのインタラクティブ性の高いアトラクションが子どもに人気を呼び、デジタルアート系エデュテインメント施設の可能性を提示しました(現在は営業を終了)。

飽きられやすい一面も

 デジタルを活用したインタラクティブ性の高いエデュテインメントは従来から存在しています。博物館や科学館、企業ミュージアムなどの参加・体験型展示がそうで、難解なテーマでも子どもに理解しやすくするために、早い時期からデジタル技術の活用が進展していました。

 デジタル技術の斬新な表現方法やインタラクティブ性は子どもの興味を引き、エデュテインメントに効果があると言えるでしょう。しかし、施設の性質上、学びの要素が強く、多くの子どもにとっては遊びという感覚のものではありませんでした。

 2010年代後半には「リトルプラネット」(江東区青海、埼玉県三郷市など)、「屋内・冒険の島 ドコドコ」(立川市曙町)など、デジタルアート系エデュテインメント施設が大型商業施設内に次々にオープンしています。

屋内・冒険の島 ドコドコ(画像:バンダイナムコアミューズメント)



 これらは小さい子どもの遊び場を意識した内容になっており、体を使うプログラムが比較的多いことが特徴です。ボールプールなどもあることから「デジタルプレイグラウンド」とも呼ばれています。

 おりしも都市型大型ショッピングセンター開発の活発だった時期であり、商業デベロッパーからは都市部の子連れファミリーを対象にした新たな時間消費型業態が希求されていて、そのニーズにはまった形でした。

 子ども向け屋内遊園地やミニテーマパークを展開していた大手ゲームメーカーや運営事業者も参入し、デジタルすなばなどのデジタル遊具も開発され、開発が拡大していたプレイグラウンドにも積極的に導入されました。そのため、一気に似たようなロケーションが増えたことから、ややインフレ気味にもなっています。

 デジタル技術は日進月歩であり、また、目新しく話題性が高い分、デジタル系の施設は飽きられやすい一面があります。もちろん、利用者の自由度の高いプログラムやアート性の高いプログラムはその範囲ではなく、人気が継続しているものもあります。常に新しい発想が必要と言えるでしょう。

 2021年の夏休みは新しい体験ができるデジタルアート系エデュテインメント施設を利用してみてはいかがでしょうか?


【画像ギャラリー】色鮮やかなデジタルアートの数々(22枚)

画像ギャラリー

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