老舗系「スイーツ」が東京で新たな人気を集めている理由
2020年3月6日
お出かけ大型商業ビル内に近年、スイーツ店が増加しています。その中でも特に勢いがあるのは、老舗菓子メーカーや老舗和菓子店による店です。いったいなぜでしょうか。文殊リサーチワークス・リサーチャー&プランナーの中村圭さんが解説します。
新しい商業ビルにスイーツ系ショップが増加
今、都心部では商業ビルの開発や面的開発(地理的な広がりを目指しながら進められる開発)が活発に行われており、銀座や渋谷などターミナル商業地では新しい大型商業ビルが相次いでオープンしています。
既存店のリニューアルを含めて都心の新しい大型商業ビルを見ると、目新しいスイーツ系カフェ・ショップがとても充実してきていることがわかります。
例えば、2019年オープンした「渋谷スクランブルスクエア」(渋谷区渋谷)では1階が全てスイーツショップで、コンセプトは「スイーツパビリオン」となっています。

そのようなスイーツ系テナントの中には老舗菓子メーカー、老舗和菓子店、老舗お茶店、さらには異業種からの新業態カフェ・ショップが見られ、情報番組や情報誌に話題の店として度々取り上げられており、特に注目される存在となっています。
「お茶系スイーツ」ブームも追い風に
最近では北海道土産の定番「白い恋人」で知られる「ISHIYA(石屋製菓)」(札幌市)による、北海道外初の直営カフェ「ISHIYA NIHONBASHI」(中央区日本橋室町)が話題になりました。
フィルムを剥がすと、たっぷりの生クリームが流れ落ちるという新感覚のパンケーキや、北海道産の日本酒を使った限定「締めパフェ」などが提供されています。
毛色の変わったところでは、リニューアルオープンした「渋谷PARCO」(渋谷区宇田川町)内に、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を使った体験施設を運営する米スタートアップ企業のティフォン(カリフォルニア州)の新業態「Tyffonium Cafe」が出店しており、同社のアトラクションにちなんだAR体験のできるパフェが楽しめます。
また「お茶系スイーツ」ブームや「和パフェ」ブームを追い風に、茶系飲料メーカーや老舗茶店による和スイーツ系の新業態カフェが次々にオープンしています。
前述の「渋谷スクランブルスクエア」には、伊藤園(渋谷区本町)の新業態店舗「ocha room ashita ITOEN」(渋谷区渋谷)がオープンしました。日本茶のパフェやフード、抹茶ビールなどのほか、ワークショップも開催され、時期によってはお茶スイーツのクッキング体験や茶のブレンド体験などが行われます。

そのほかにも「渋谷ヒカリエ」(同)には福寿園(京都府木津川市)とサントリー食品インターナショナル(中央区京橋)の緑茶飲料ブランド「伊右衛門」とカフェカンパニーのコラボ業態「伊右衛門サロン」が出店。卵や牛乳など動物性の材料を使わないお茶系和スイーツを提供しています。
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