激減する都内「CD店」と、増える「イントロなし曲」 両者の意外な相関関係とは
2021年3月13日
ライフCDが主流だった時代から、音楽配信サービスを利用する時代へ。デジタル機器の性能向上によって音楽の聴き方は大きく変化しています。それに伴い、楽曲そのものの構造もリスナーの受け止め方も変わってきていると、音楽ライターの村上麗奈さんは指摘します。
音楽再生はCDからストリーミングへ
デジタル機器によって利便性が高まっている令和時代。そんな現代に生きる我々は、サブスクリプションサービスや動画サイトを利用することで聴き切ることができないほど多くの楽曲に触れられるようになりました。
RECOfan渋谷BEAM店(渋谷区宇田川町)が2020年10月に、TOWERmini汐留店(港区東新橋)が2021年3月に閉店するなど、東京を中心に展開されていたCD・レコードショップの店舗数は一時期と比べて減少しています。代わりに、サブスクリプションなどを利用し、携帯端末で音楽を聴く人が増えているのです。

サブスクリプション(定額制)型ストリーミングの普及は日本では遅れているとも言われていましたが、ここ1、2年でその流れもようやく変わってきています。
CDや専用の再生機器から、スマートフォンやデジタルプラットフォームへと移行した視聴方法の変化は、そこで聴かれる音楽の構造にも大きな変化をもたらしました。
多くの楽曲を聴くことができるプラットフォーム、そして多くの情報を手に入れることができる情報社会。1曲数分であれ、リスナーに冗長である、あるいは好みではないと感じられれば楽曲はスキップされてしまいます。
そんな情報過多に適応した社会を乗りこなすためもあり、イントロが短い、あるいはない楽曲や、メロディの展開が多い楽曲、1曲の長さが短い(2~3分程度)ものが増えました。
フィジカル(CDなど物理的なもの)からデジタルへという音楽の変化については、「モノとしての愛着」という視点からの議論がたびたびかわされてきました。しかし、音楽を取り巻く環境の変化がもたらしたものは、愛着などといった漠然とした感覚だけではなかったのです。
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