マカロニの親せき? 安土桃山時代に伝来? 「マカロン」知られざる波乱万丈ヒストリー【連載】アタマで食べる東京フード(14)
2021年3月17日
ライフ味ではなく「情報」として、モノではなく「物語」として、ハラではなくアタマで食べる物として――そう、まるでファッションのように次々と消費される流行の食べ物「ファッションフード」。その言葉の提唱者である食文化研究家の畑中三応子さんが、東京ファッションフードが持つ、懐かしい味の今を巡ります。
想像以上に長い、マカロンの歴史
平成になってから、数多くのスイーツがはやったりすたれたりの激しい栄枯盛衰を繰り返しました。完全に忘れ去られたものは意外と少数派で、いったん消えても突然カムバックして2次、3次ブームが起こったり、復活してからは静かに浸透していったりしたものが珍しくありません。
そのなかで、ユニークな流行曲線を描いてブレークに至ったのが、マカロンです。
フランスのお菓子と思われていますが、実はイタリア生まれ。しかし、先祖は遠くさかのぼってギリシャ時代の蜂蜜とアーモンドの練り菓子だとか、イスラム教徒のアラブ人がイタリア、スペイン、ポルトガルなどに伝えたものだとか、謎の多いお菓子です。
マカロンの語源は「練った生地を切る」という意味の「マッケローネ」。ここからパスタのマカロニとお菓子のマカロンに分かれたらしい。そういわれてみればマカロニとマカロン、一字違いです。

フランスへは16世紀、フィレンツェのカトリーヌ・ド・メディシスがフランス王と結婚するさい持ち込んだと言われますが、フランスの中世時代、西暦700年代にロワール地方の町、コルムリーの修道院で作られたなど、こちらも諸説あります。
コルムリーのマカロンはいまでも人気のあるご当地銘菓で、リング形に焼かれたユニークなマカロンです。
現在、マカロンといえばカラフルな生地2枚のあいだにクリームやジャムがサンドしてあるタイプを指しますが、実はフランス各地には古くから約30種のご当地マカロンがあり、それぞれが正統性を主張しています。

New Article
新着記事
-
コロナで街から消えた大学生の「新歓イベント」 かつてのお祭り騒ぎはもう見られなくなるのか?
2021年4月18日
-
似てるけど全く別物! 「とんかつ」「カツレツ」 、あなたは違いを知っていますか?【連載】アタマで食べる東京フード(15)
2021年4月18日
-
【東京出身タレント名鑑】いじられ芸人アンジャッシュ児嶋(八王子市)が唯一無二のポジションを築けたワケ
2021年4月17日
-
街歩きや散歩で大切なことはすべてNHK『たんけんぼくのまち』が教えてくれた
2021年4月17日
-
オリンピック選手を数多く輩出 日本初の女子体育教師養成学校「東京女子体育大学」とはどのような大学なのか
2021年4月11日
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画