騒動から3か月 大丸の「生理バッジ」問題を改めて振り返る
2020年1月17日
ライフ2019年秋に話題になった大丸梅田店の「生理バッジ」、覚えていますか? あの一件をライターの秋山悠紀さんが振り返りました。
大炎上の末、中止に追い込まれたあのバッジ。
3か月前の2019年10月中旬、大丸梅田店(大阪市)が「フェムテック」(テクノロジーを使って女性の健康問題の解決を目指すサービス)商品を展開する売り場で「生理バッジ」を始めました。バッジを店員が着用して生理中であることを意志表示し、生理についてオープンで話しやすい環境作りを目指したとのこと。

このバッジはインターネット上で炎上。大丸不買の決意表明までツイートする人も出てきて、同11月下旬、大丸梅田店はバッジの着用の中止を決定しました。
今回の大丸梅田店の取り組みで主に目立っていた批判は、「気持ち悪い」という声です。「生理時期がわかるということは排卵時期も予測できてしまう。バッジ着用時期から逆算して性被害に遭ったらどう責任を取るのか」「生理の女性を見て欲情する男性もいる」といった嫌悪感を多くの人が抱いたようです。
一方で、「生理休暇が取りやすい環境づくりや、生理用品や生理痛の薬の無償化などを進めるべき」「バッジを付けなければ、生理のつらさが理解されない職場が問題」という意見も見受けられました。
このように、一見すると批判が殺到したイメージの生理バッジ。しかし、生理があらためて女性にとってさまざまな障壁となっていることを表明し、さらに生理に関連した福利厚生や職場環境改善の訴えまで飛び交うなど、議論のきっかけにもなりました。
ついでに私たちは、こうした「フェムテック」商品が日本の大手百貨店の売り場に並ぶこと自体、革新的なことであることを認識しなければいけないでしょう。
2019年2月と3月、渋谷区でトークイベント「女性向け新市場 『フェムテック』最新動向と可能性」が、9月には同じく渋谷区で「Femtech Fes! ~あなたの欲しいモノは、みんなの欲しいモノ」が開催されるなど、少しずつ認知度が高まっています。
欧米ではすでに市場規模は拡大していますが、まだまだ日本では「フェムテック」の意味を知っている人はひと握り。このようなフェムテック市場に大丸が参入したことには、価値があります。
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