「どこを探しても見つからないの……」 1匹の野良猫がいなくなり、彼女が激しく動揺したワケ
2020年11月30日
ライフ家から駅までの通勤路で、毎日のように見かける茶トラの猫がいました。雨の季節にも、酷暑の夏も。深まる秋のある日、その猫はこつ然と姿を消してしまいました。いなくなって初めて、気が付いたこととは何だったのでしょう。東京キャットガーディアン代表の山本葉子さんが、ある女性と猫とのエピソードを紹介します。
路地で出会った丸顔の茶トラ
東京。寒さが緩んで、いろいろな作業が軽くなる感じがしてきた2月の終わり。
小さな広告代理店に勤めている彼女の仕事は、撮影用の小物をそろえたり配置を考えたるすること。それと雑用もたくさん。
入社してまだそれほど多くの仕事はしていないけど、マテリアルの組み合わせにはちょっと自信がある。
ある日の通勤途中、家から駅までの住宅街の路地に猫がいるのに気が付きました。
焼いたパンのような香ばしい黄色。茶トラって言うんだっけ。まあるい顔で愛嬌がある。かわいいな。
横目に見ながら会社に急ぎます。動物は好きだけど今まで一緒に暮らしたこともなく、テレビなどで猫の映像が流れると「きゃー♪」と思うくらい。
それからけっこう頻繁にその猫を見かけるようになりました。
と言うより、そこに今日もいるかも知れないと、彼女の方が目で探すようになっていました。
大体いつも路地に張り付くように駐車している車のそばで、寝そべっていたり日向ぼっこのように見えたり。たまに何かで遊んでいるような様子だったり。
見慣れてくると「なんとなく茶トラ」だったその子は、お腹のあたりが白いんだなと気がついたり、耳の片っぽが裂けてるように見えたり、しっぽが中途半端な長さだなと思ったり。

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