「運転手さん、手伝って」 新宿で乗せた長身美人が見せた、華麗なるヘビ退治の一幕【連載】東京タクシー雑記録(3)
2020年12月3日
ライフタクシーの車内で乗客がつぶやく問わず語りは、まさに喜怒哀楽の人間模様。フリーライター、タクシー運転手の顔を持つ橋本英男さんが、乗客から聞いた奇妙きてれつな話の数々を紹介します。
ヘビだ! 思わず切った急ブレーキ
フリーライターをやりながら東京でタクシーのハンドルを握り、はや幾年。小さな空間で語られる乗客たちの問わず語りは、時に聞き手の想像を絶します。自慢話に嘆き節、ぼやき節、過去の告白、ささやかな幸せまで、まさに喜怒哀楽の人間模様。

今日はどんな舞台が待っているのか。運転席に乗り込み、さあ、発車オーライ。
※ ※ ※
杉並区の永福町、井の頭通りを走っていると前方の路面にヘビのような物体を発見。
慌てて左にハンドルを切り急ブレーキ! オー危ない。……よく見ると、長いゴムひもの切れ端。
「東京にヘビなんているわけないか」
後ろの女性客がすかさず、
「運転手さん、それが都内にもいるのよ、子供が通う杉並の学校グラウンドに、いたいた」
「へぇー」
「少年野球公式戦のとき、でっかいヘビがグラウンドの真ん中あたりにいて、それで監督や父兄は驚いてビクビク。そこに若い奥さんがツカツカと行って、ヘビを手づかみすると、草むらの所に持って行って、ポイと投げたの」

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画