工場・風俗店・高速道路……東京23区の物件探しで「嫌悪施設」があまり気にされなくなった理由

都内に住む際、決め手のひとつになるのが物件の周辺環境です。今回は近くに合ったらちょっと困る「嫌悪施設」について、その最新状況を住宅評論家の櫻井幸雄さんが解説します。


都会で減少する「嫌悪施設」

 不動産の世界では「嫌悪施設」という言葉があります。簡単にいえば、「多くの人に嫌われる施設」で、騒音や悪臭を出す工場、夜遅くまで酔客が騒ぐ可能性のある風俗店などが該当します。

 それらの近くでマンションや建売住宅を販売すると、買い手に敬遠されがちです。なお「施設」ではありませんが、高速道路も嫌悪されます。

都内にある高層マンションのイメージ(画像:写真AC)

 そのような嫌悪施設が近くにあると、買い手が付きにくいため、近くの分譲住宅は割安な価格になるのが普通です。正確にいうと「普通でした」。「でした」と過去形にしたのは、近年は嫌悪施設があっても価格は下げないというケースが増えたからです。

 例えば、高速道路の近くに建つマンションは、以前なら周辺相場より3割から4割安くなっていました。しかし、今は安くなっても1割から2割程度。周辺相場と変わらない価格水準で販売されるケースも多く見受けられます。

 その理由は、高速道路の近くに住む害が軽減されているためです。排ガスが減り、空気がクリーンになって、騒音も低減。昭和の時代、高速道路脇のマンションは壁が黒くすすけていましたが、今はきれいなままです。高速道路が南にあるおかげで、3階以上は日当たり良好、と喜ばれることさえあります。

 工場も騒音や臭いの害が減り、焼き肉店、焼き鳥店も脂ぎった煙を表に排出しなくなりました。パチンコ店も以前は嫌悪施設の代表でしたが、今は静かですし、ケバケバしい外装も無くなっています。それどころかパチンコ店自体が数を減らし、廃業したパチンコ店舗がおしゃれなマンションに変わることさえあります。つまり、嫌悪される施設が大幅に減ったのです。

 しかしながら、どうしても減らない嫌悪施設がひとつあります。しかも、それは東京23区内に意外に多いのがやっかいなのです。

都内に最後まで残る嫌悪施設は?


【東京23区別】最新「分譲実績データ」を見る

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