チャームポイントは「崖と急坂」 セレブと庶民派のごった煮が生み出す唯一無二の磁場 豊島区・駒込駅周辺【連載】東京商店街リサーチ(6)
2020年11月15日
知る!TOKYO高級住宅街と庶民的な街並みのコントラストが印象的な駒込駅周辺。その魅力について、フリーライターの荒井禎雄さんが案内します。
一口では言い表せない奥深すぎる町
駒込は歴史ある古い土地であるにもかかわらず、都民であってもパっとイメージが浮かばない「影の薄い山手線駅ランキング上位」です。
ところが駒込はソメイヨシノ誕生の地であり、知る人ぞ知る高級住宅地があり、そうかと思うと庶民的かつ長大な商店街が延びていたり、さらには結界のように大きな庭園や公園が取り囲んでいたりするなど、オンリーワンな魅力にあふれた町なのです。
その反面、バリアフリー対策のしようがない断崖絶壁といった「チャームポイント」もあり、何とも一口では言い表せない奥深すぎる町です。今回はそんな駒込を掘り下げてみたいと思います。
●立地と歴史
「駒込」は豊島区の地名で、JR駒込駅の所在地も豊島区のため、何となく巣鴨とワンセットの豊島区の町という印象がありますが、実際には豊島・北・文京の3区が入り乱れ、エリアによって色合いがガラっと変わる複雑な土地です。
例えば、駅前のさつき通り商店街は1本道に向かい合ってお店が並ぶオーソドックスな商店街ですが、実は通りそのものが区境になっており、西側が豊島区、東側が北区となっています。
駅の南側にある六義園(りくぎえん、文京区本駒込)から南北線の本駒込駅方面にかけては「文京区本駒込」という地名で、このエリアの一部は高級住宅地として知られています。また、駒込駅東口のアザレア通りや谷田川通り、地域を代表する商店街の霜降銀座などは北区であり、町名は中里、田端、西ヶ原となります。

この中で豊島区や文京区に属するエリアには共通の空気があり、多くが武蔵野台地の高台に位置していることと、広い邸宅や名所旧跡の多さから「正真正銘の山の手感」が漂っています。
それと比較すると、旧谷田川に沿った低地に位置する北区内のエリアには、霜降銀座や田端銀座といった商店街が集まっており、打って変わって庶民的な雰囲気となっています。この両極端さが駒込の独自性を生み出していると言えるでしょう。

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