最近の若者たちが渋い「下町銭湯」をこよなく愛するワケ
2020年10月21日
知る!TOKYOカーシェアや民泊など、近年注目される「シェアリングエコノミー」。そんなシェアリングエコノミーですが、実は古くから日本に存在していました。文教大学国際学部准教授の清水麻帆さんが解説します。
シェアリングエコノミーとは何か
ここ数年、シェアリングエコノミー(共有経済)という言葉をよく耳にします。
シェアリングエコノミーとは、モノやサービスを共同の資源として利用する経済で、その資源を最大限に活用するために、近年はビジネスと結びつくことが多くなっています。
例えばカーシェアリングです。
カーシェアリングはレンタカーと異なり、個人間で車をシェアします。東京に住んでいると、地下鉄やバスでの移動が多く、普段はあまり車に乗る機会がないため、こうしたサービスは大変便利です。
またエアビーアンドビー(Airbnb)などが日本に進出し、民泊が注目され始めた頃、シェアリングエコノミーという言葉は日本に定着しました。
今や、コワーキングスペースやクラウドファンディングも同様、若い世代のルームシェアは当たり前です。
加えて、コロナ渦の昨今にニーズが増しているウーバーイーツ(Uber Eats)もシェアリングエコノミーにおける代表的なひとつになりました。都内では至る所で、自転車で駆け抜けるウーバーイーツを見かけます。
日本にずっと昔からあった
このように、シェアリングエコノミーは自動車、不動産、金融、食などあらゆるビジネス分野に広がり、すでに私たちの生活にも溶け込み定着しています。今後も、情報技術革新により、さまざまな分野でのシェアリングエコノミーが広がっていくことを予感させます。
一方、シェアリングエコノミーは実はずっと昔からありました。それは銭湯(公衆浴場)です。

一昔前、各家庭にお風呂がなかった時代に、衛生上必要不可欠であったお風呂を共同で利用する銭湯は、現在でいうシェアリングエコノミーのはしりだったと言えるのではないでしょうか。
ただ、銭湯が前述のサービスと異なるのは自治体からの助成金を受けている点です。そのため公共的要素が強く、また今も変わらず地元民たちのコミュニティーの場となっています。まさに、裸の付き合いといったところでしょう。
これは昔から地域に根付いているからこそ、そうしたことが感じられる場所になり得るのです。

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