明治天皇にも献上 銀座木村家が150年貫く、不変の「あんぱん哲学」とは
あんぱんの元祖といえば、創業150年を迎えた銀座木村家。日本のパン文化の広がりに大きく貢献した同店。創業時から変わらないこと、変わったこと、あんぱんが手のひらサイズである理由を聞きました。
木村家のあんぱんは「生地ありき」
銀座の中央通りにすっとそびえ立つ縦長のビル。ここから生まれるあんぱんを、「元祖」と知る人は少なくないでしょう。
銀座木村家。創業150年を迎えた今も、あんぱんを求める人を始めとした来客は絶えず、平日の日中であっても、店内はぎゅうぎゅう……ということも珍しくありません。

そんな同店のあんぱん(税込170円)は手のひらサイズで、天辺に桜の塩漬けが乗っているのが特徴。桜の塩漬けは、明治8(1875)年に明治天皇に献上された時からのスタイルといいます。
「『あんぱんの大きさ、小さくなりましたか?』と聞かれたことがあるんです。ですが、うちのあんぱんの大きさは、ずっと変わっていません。生地とあんのバランスが一番ベストなところが、この大きさなんです」
そう話すのは、同店の広報を担当する上野さん。「『お腹を満たすため』というのではなく、味わって食べるのに、この大きさは丁度良いともいえます」とのこと。
同店のあんぱんは、イーストではなく、酒種酵母を用いるのが大きな特徴です。酒種は、麹、米、水でつくられており、イーストとの大きな違いは2つ。発酵時間と風味です。発酵には、約24時間を要するのだとか。長い時間をかけ、熟成させることで、強い風味が生まれ、生地にしっかりとした食べ応えが生まれます。
「うちのあんぱんは、生地が大切なんです」と上野さん。
「生地にあわせてあんこを調合し、包んでいるんですよ。生地の味が強いので、従来のあんこを入れるとあんこが負けちゃうんです。なので実は、少し糖度が高めなあんこを使っています」
酒種酵母を発酵させた生地を用いたパンは9種類以上。そのどれもが、生地ありきで、それに合わせた中身を作っているといいます。なかでも特徴的なのがジャムパン(税込200円)で、あんずといちじくのジャムが使われています。

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