都内では3時間待ちもザラ 80年代「ビリヤードブーム」にはなぜ女性客が多かったのか
2020年10月15日
ライフ1980年に一世を風靡したビリヤード。数年続いたブームについて、20世紀研究家の星野正子さんが解説します。
プールバーとは何か
「近くにプールバーができたんですよ」
「へえ、今日でも早速行ってみようか」
というわけで、服の下に水着を付けて遊びに行ったらプールなんてどこにもなかった――そんな体験をした年配者は、ひとりやふたりではないでしょう。
お店の真ん中にあったのは泳ぐプールではなく、ビリヤード台。そう、ビリヤードのボールが「ポケットにたまる = プールされる」からプールバー。プールバーがはやりつつあった1986(昭和61)年頃、東京のあちこちではそんな光景がよく見られていたのかもしれません。
翌年の1987年。東京を発信源として、全国に空前のビリヤードブームが巻き起こっていました。理由は、お正月映画『ハスラー2』のヒットです。

『ハスラー2』は、ポール・ニューマンが演じる老ハスラー(ビリヤードで賭博を行って生計を立てる人)とトム・クルーズ演じる若手ハスラーがライバルとなり、勝負を繰り広げる作品です。
1961(昭和36)年に公開された、同じくニューマン主演の『ハスラー』から26年を経た続編。1961年に公開されたときも日本ではビリヤードがブームとなりましたが、2はそれをしのぐブームになりました。
『ハスラー2』勢いはすさまじく、その余波で少年マンガ誌でも前川たけしの『ブレイクショット』や、黒咲ひとりの『ハスラー・ザ・キッド』など、ビリヤードをテーマにしたマンガが掲載されたほどです。
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