原宿や渋谷より……? 浅草が「スイーツの街」にふさわしい歴史的論拠【連載】アタマで食べる東京フード(9)
2020年10月15日
ライフ味ではなく「情報」として、モノではなく「物語」として、ハラではなくアタマで食べる物として――そう、まるでファッションのように次々と消費される流行の食べ物「ファッションフード」。その言葉の提唱者である食文化研究家の畑中三応子さんが、東京ファッションフードが持つ、懐かしい味の今を巡ります。
他の追随を許さないスイーツの街
コロナで客足が遠のいていた浅草に、にぎわいが戻ってきました。週末ともなると、雷門と浅草寺を中心に、すごい人出です。
心なしか、神谷バー(台東区浅草1)と東武鉄道浅草駅(同区花川戸)も、ますます輝いて見えます。前者は1921(大正10)年完工、アールデコの影響も感じるセセッション(分離派)様式、後者は1931(昭和6)年完工、堂々としたネオ・ルネッサンス様式。
浅草を代表するモダン建築なので、ぜひ全景を眺め、デザインを楽しんでほしいと思います。
とはいっても、浅草歩き第一の楽しみは、おいしいものの食べ歩きでしょう。
天ぷら、そば、うなぎ、お好み焼き、釜めし、すき焼き、どじょう、洋食、焼き鳥、おでん……。あらゆる伝統食の名店が集中し、最近はフレンチの個性的な店なども次々と生まれています。
スイーツの充実ぶりも、他の追随を許しません。
「スイーツの街」を名乗るところは全国にありますが、古いものから新しいものまでバラエティーがこれほどそろう場所はなく、しかも庶民的です。
なかには創業300年以上の店もありますが、買ってその場で食べても大丈夫。どんな老舗でも気取っていないのが、下町のよいところです。

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