アートは「不要不急」じゃない――コロナ禍の今こそ注目すべきスタイリッシュでクールな力とは
2020年10月8日
ライフ新型コロナウイルスや大規模な自然災害。新たな脅威に私たちはどう向き合っていけばよいのでしょうか。こうした世界規模の問題に目を向けるひとつのきっかけとして、「アート」の力を生かす取り組みが注目を集めています。アイスランド系デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソンの活動を例に、文教大学国際学部准教授の清水麻帆さんがその可能性を探ります。
コロナに自然災害にどう立ち向かうか
近年、毎年のように世界各地で自然災害が発生しており、先日も九州地方や広島で大雨による洪水で大きな被害を出しました。もちろん東京も例外ではありません。こうした近年の気候変動は地球温暖化が起因しているといわれています。
さらに、地球温暖化が徐々に私たちの生活環境へ影響を及ぼしている間に、新型コロナウイルスの感染拡大は私たちの生活を一瞬で一変させました。現在、私たちは経験のない未曾有の状況下にありますが、それだけを考えるのではなく、前進しなければなりません。
つまり、コロナや気候変動などの地球規模の問題に対応・配慮した社会を創造していくことが求められています。
今こそ求められる「レジリエンス」
「レジリエンス」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
レジリエンスとは、もともと「回復力」「強靭力」「跳ね返す力」といった意味でしたが、近年では災害や貧困、経済の再生など、都市や地域の課題に柔軟に対処・克服して再生していく力やしなやかな強さという概念で使用されています。
国連が提唱している「持続可能な開発目標(SDGs)」にも、貧困、まちづくり、気候変動などさまざまな社会問題の解決や地域の活性化の重要な要件ともなっています。つまりレジリエンスは、コロナや環境問題という地球規模の問題に直面している現在、私たちに求められているものと言えるのです。
では、レジリエンスはどのようなところで生まれるのか。それは、多種多様な人々が一致団結し、環境問題やコロナの対処や経済再生のチャンスの際に、公共的な利益に即して協力し合い、地域やコミュニティが一体となって迅速に柔軟に対応し克服する社会ではないでしょうか。
地域やコミュニティーを基本としたのは、文化的な基盤に基づいたものとして、ここでは捉えているためです。たとえば、国、都道府県や市町村、コミュニティーといった共同体、組織や団体の単位となります。
小さな単位が、それぞれに見合った災害やコロナなどの対策を足元から実施していくことが重要になってくるでしょう。そうした小さな単位同士が水平的につながり協働することによって、地球規模の対策につながっていくのです。

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