繰り返すスイーツブーム 荒波を生き残った「ワッフル」のすごい進化論とは【連載】アタマで食べる東京フード(7)
2020年9月11日
ライフ味ではなく「情報」として、モノではなく「物語」として、ハラではなくアタマで食べる物として――そう、まるでファッションのように次々と消費される流行の食べ物「ファッションフード」。その言葉の提唱者である食文化研究家の畑中三応子さんが、東京ファッションフードが持つ、懐かしい味の今を巡ります。
1986年に東京初出店、全国的ブームに
ベルギーワッフルブームの火付け役になった「マネケン」は、大阪の製菓メーカーです。創業者の先代社長が新しいお菓子を求め、視察に赴いたベルギーの街角で未知のワッフルに出会ったのがはじまりでした。
従来のワッフル――2020年8月12日配信の記事(コンビニ定番の「ワッフル」 ルーツはなんと古代ギリシャで、日本独自の進化も遂げていた)で紹介した、サンドタイプとゴーフルとはまったく違う、どっしりした甘みとバターの芳香、それまでにはなかった独特の食感。
生地自体のおいしさを味わえるワッフルに感激し、この味を日本人に知らせたいと、1986(昭和61)年に大阪・梅田に第1号店をオープン。1996(平成8)年の東京進出後には、全国的な大ブームが巻き起こりました。
焼きたてを買って食べ歩きできるのも魅力で、甘い香りがただよう店の前には、いつでも長い行列が見られたものです。

ヨーロッパの伝統菓子にくわしい洋菓子研究家の熊谷裕子さんによると、ベルギーにはいわゆるケーキ屋さんは驚くほど少なく、そのかわり街のいたるところにあるのが、ワッフル専門店。
まさにワッフルが、ベルギーの国民菓子なのだそうです。
実はベルギーワッフルには、ふたつのタイプがあります。ひとつは、首都の「ブリュッセル風」ワッフル。もうひとつは、東部の都市「リエージュ風」のワッフルです。どちらもベルギー各地で作られています。

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