明治時代から体育一筋 五輪選手も多数輩出「日本体育大学」とはどのような大学なのか
2020年7月12日
ライフオリンピックに数多くの選手を輩出する名門・日本体育大学。その歴史と意外な魅力について、教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
お祭り騒ぎになるはずだった2020年夏
スポーツの祭典オリンピック・パラリンピックが開催される予定だった、2020年の夏。ドキドキしながら新年を迎えたとき、まさか延期になるとは誰も想像していなかったことでしょう。
さて2021年の夏に延期が決まった東京オリンピックですが、競技選手の名とともに示されるのが、所属大学や所属会社です。
この競技はこの大学が強い、あの競技にはあの企業が強い、いったようなことがよくありますが、オリンピックを観戦しているときにずばぬけて目にするのが、日本体育大学(世田谷区深沢)です。

メジャー競技だけではなく、マイナー競技に至るまで多くのオリンピック選手を輩出している日本体育大学ですが、他の大学とどのように違うのでしょうか。
明治時代から体育一筋
スポーツに特化した大学ということもあり歴史が浅いかと思いきや、大学の起源は明治期にまでさかのぼります。
1891(明治24)年に成城学校(現・成城中学校・高等学校)内に設置した「体育会」を起源としています。

西南戦争に政府軍として参加した日高藤吉郎は、一連の戦いで軍人は体力が必要と痛感し、若者の体力を鍛えることが重要と考えました。同時期の学校教育の中では、生徒児童へ適切な指導ができる教員が不足していました。
そして1893(明治26)年、日本体育会体操練習所を設置。体育指導員の育成を本格化させたのです。
日本体育会体操練習所は初期の軍人となる若者の鍛錬という目的から、国民の体力の底上げ、またそれを支える人材育成へと発展していきました。
明治時代から一貫して、体育に特化した専門高等機関として存在しているのは非常に珍しく、こうした歴史が日本体育大学のブランド力を高めています。

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画