ナタデココが90年代の大ブーム後も「定番」として生き残った理由
2020年9月2日
ライフ90年代に一大ブームを巻き起こしたナタデココ。そんな当時の熱狂について、20世紀研究家の星野正子さんが解説します。
注目されたのは1992年7月から
「独特の食感が新しい!」
そんな評価とともにナタデココを用いたメニューが東京のレストランに目立つようになったのは1993(平成5)年の初夏からでした。

ナタデココはココナツ果汁を発酵させてゲル化したもので、フィリピンでは伝統的に食べられている食品。寒天によく似ていますが、それ以上に歯ごたえがあるのが特徴です。
ナタデココが日本に上陸したのは想像以上に早く、なんと1970年代。デルモンテがフルーツの缶詰に使用。その後、フジッコ(神戸市)がこれを使った業務用商品を販売するなどしていましたが、決してメジャーなものではありませんでした。
そんなナタデココが脚光を浴びるきっかけになったのは、1992年7月のことです。
ファミリーレストランのデニーズが、まだ認知されていなかったナタデココを「ココナツから生まれた新しい口あたりのゼリーをヨーグルトで仕上げたヘルシーデザート」として380円で売り出したのです。
この新機軸のデザートは徐々に脚光を浴びます。当初は1店舗あたり1週間の平均売り上げ個数は140~150個。しかし冬になると売り上げはガクンと落ち50個程度になったといいます。それが、1993年の5月頃から人気に火が付きあっという間に一週間に400~500個も売れる商品となったのです。通常デザートは40~50個出れば人気なのに、これだけでコーヒー並みに売れているのだから大ヒットです(『日本食糧新聞』1993年9月17日付)。
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