幽霊坂にビール坂……なぜ「東京の坂」にはシャレた名前が付いているのか?
2020年8月24日
知る!TOKYO東京には「名前のある坂」が700か所以上も点在しているそうです。数の多さにも驚きですが、そもそもなぜどんな坂にも、必ずと言っていいほど名前が付けられているのでしょうか。フリーライターの本間めい子さんが歴史背景を解説します。
どこもかしこも坂だらけな東京
関東平野にあるはずの東京ですが、どこもかしこも坂だらけというのが現実です。

もともと、武蔵野台地が伸びていたところと、低地を埋め立てたところに町ができていったので、当然、どこもかしこも坂は多くなります。
当然、時代が下るにつれて坂をゆるやかにするような工事も行われていますが、それでも登るにはキツい坂がけっこうあるものです。
主要幹線道路でも急勾配の坂が
中でも「九段坂」(千代田区九段北~九段南)は、幹線道路である靖国(やすくに)通りが走っているというのに、勾配(こうばい)がきつい坂の代表格でしょう。
それでも、まだマシなのです。
国土地理院のデジタル標高地形図を見てみると、神保町(千代田区)あたりから市ヶ谷(同区・新宿区)へ向かっての地形は九段下のところから跳ね上がるように高くなっています。
靖国通りの部分はいくぶん低くなっていますから、必死に掘削して掘り下げたことがわかります。
江戸時代、九段坂はほとんど崖に道が付いているようなところで、道路ではなく階段になっていました。
明治時代になって道路になったのですが、とにかく急勾配。荷車は上がることができないので、坂の下には食い詰めた人々が「立ちん坊」と呼ばれる人足となって、荷車を押して糧(かて)を得ていました。
勾配が急なために市電も通すことができずに、牛ヶ淵沿いを迂回(うかい)するルートを通っていました。
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