知られざる東京「オカルトスポット」3選――やけにヒンヤリするのは冷気か心霊現象か
2020年7月26日
知る!TOKYO夏といえば怪談。コロナ禍の2020年は、人気が少なく妙に「ひんやり」するカルトスポットへ出掛けてみるのはいかがでしょうか。東京都内のとっておきの3か所へ、怪談・オカルト研究家の吉田悠軌さんがいざないます。
暑さにも負けず、コロナにも負けず
間もなく梅雨が明け、子どもたちの夏休みも始まって、これからが夏本番。……とはいえコロナ禍のせいで、東京在住の人は特に、張り切って各地へお出掛けできないのが悲しい2020年の夏です。
まあ、怪談・オカルトを仕事する私(吉田悠軌。怪談・オカルト研究家)としては「皆さま、おうちでホラー映画か怪談でも視聴し、ひんやりなさってください」と言いたいところですが。いやいや、それではあまりに寂し過ぎます。

今回は、なるべく人が密集しないようなスポット、それも怪談めいた「精神的ひんやり」と、実際に涼しい「物理的ひんやり」が両立するスポットを紹介しましょう。
コロナにも暑さにも負けず、2020年の夏も堪能してくださいませ。
文京区……伝通院
文京区小石川を代表するお寺、伝通院(でんづういん)は、その昔、若い仏僧たちが学ぶ専門学校のような役割を担っていました。
その中でも澤蔵司(たく ぞうす)は大変優秀な学生で、わずか3年で浄土教の奥義を究めたほど。そんなあるとき、とんでもない出来事が発生。なんと、うっかり尻尾を出して寝る彼の姿が、寺の人々に目撃されてしまうのです。
彼の正体は、狐(きつね)でした。しかも、太田道灌(おおた どうかん)が江戸城建築時に勧請(かんじょう。高僧などを迎え入れること)した稲荷社の狐というから、まあ生粋の江戸っ子狐だったわけです。
そんな彼ですが、仏法を学ぶため人に化け、伝通院に入寮していたのだから殊勝なこと。とはいえ素性が知られたら仕方ない、と澤蔵司は伝通院を去りました。これを受けて建立されたのが、澤蔵司稲荷とされています。

本殿脇の階段をくだっていけば、今も当時のままの霊窟「お穴」が口を開けています。小さいながらも内部はひんやり、冷気とともに「霊気」も漂っていそうな、神秘的な空間です。知人のおいなりさんマニアいわく「都内で最もパワーを感じるのが、この洞窟」とのこと。
ちなみに澤蔵司は大の天ぷらそば好きだったそうで、修学中、毎日のように通っていたそば屋「萬盛」(文京区春日)は今でも営業中。往時をしのんで、冷たいそばを喉に通してみるのもいいでしょう。

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