理工系最難関も なぜかオペラの授業がある「東京工業大学」とはどのような大学なのか
2020年8月7日
ライフ理工系最難関大学として知られる東京工業大学。しかしその名前の響きとは裏腹に、文系科目にも力を入れています。いったいなぜでしょうか。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
池上氏は何を教えているのか
130年以上の歴史を誇る東京工業大学(目黒区大岡山)は、理工系のスペシャリストが集まる国立の理工系総合大学で、理工系の最難関大学として広く知られています。

もともとは3学部、6大学院研究科でしたが、2016年度から学部と大学院のすみ分けをなくした学院制を導入。6学院(理学院、工学院、物質理工学院、情報理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院)へと再編されました。
その結果、学生が長期的な視野に立って勉強や研究に集中できる環境を実現。こうした制度は日本初であり、独自の存在感を放っています。
一般教養にも注力
一方、東京工業大学は専門教育だけではなく一般教養にも力を注いでおり、付属の教育機関として、「リベラルアーツ研究教育院」を設置しています。

同研究院は、2012年に新設された一般教養(リベラルアーツ)を専門に扱う「リベラルアーツセンター」を前身とし、理工系とは縁遠いイメージのジャーナリスト・池上彰氏が教授として参加し注目を集めました(現在は特命教授)。
さまざまな背景を持つ人々とともに世界の第一線で活躍できる人材を育成するためには、池上氏のような昭和から平成、そして令和の現代社会を見てきた人物がふさわしかったのでしょう。
理工系総合大学として確固たる地位を築いている東京工業大学が、独立した研究所を設立してまで一般教養に力を入れているのは、「理工系エリート」である学生たちが自分の殻に閉じこもることなく、多角的な視野を得られるよう促す側面があるのです。
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