東京郊外の住民たちが予想以上に「地元付き合い」を大事にしているワケ
2020年7月6日
ライフかつて「ニュータウン」と呼ばれた東京の郊外に住む人たちは、ほかの地域の住民に比べて「地元を好き」という割合が高いようだと、ルポライターの昼間たかしさんは指摘します。果たしてその理由とは?
「こないだ地元の先輩が~」
都会にあこがれて上京してくる人はおおむね、東京は洗練された大都会だと思っているはず。
良くも悪くも、人との付き合いにはドライなもの……なんて考えていると、驚きますよね。東京生まれ東京育ちの人は、想像するよりもずっと地元の友人知人や人間関係を大事にするんですから。
ここで東京を知らない人が驚くのは、お祭りなどが盛んな下町よりも、むしろ新しく開発されたベッドタウンとおぼしき郊外の方が、「地元の先輩が~」という言い回しを使う、人間関係が濃いエリアが多いということです。

なんて伝統があるのだろう……と思うかもしれませんが、でも、地元を愛し地元で育ち、地元で暮らす郊外のライフスタイルというのは、決して古いものではないのです。
かつて郊外の団地に暮らすのが夢
かつて東京の郊外は、本当に郊外でした。
高度成長期に東京では、都心に通勤する人たちの住宅を確保するために郊外に次々とニュータウンとか住宅団地というものが建設されていきます。洗練された都市計画のもとに生まれる新たな住宅地は、都心で働く人にはあこがれの対象だった時代もあります。
山田洋次監督の映画『下町の太陽』(1963年)で、早川保が演じたヒロイン倍賞千恵子の恋人の夢は、下町を抜け出して郊外の公団住宅に暮らすことだったりします。
最新の設備を備えた郊外の住宅地、とりわけ団地は設備も整っていて住みやすかったのです。
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