【子持ち主婦が考えるSNS論】ツイッターの「終わりなき議論」を終わらせる、インドに伝わる教えとは
2020年7月3日
ライフ反論が反論を呼び、収拾がつかなくなることもしばしばあるツイッター上での議論。「出口なき議論」を終えるにはどうすればいいのか、ライターの宮野茉莉子さんが考察します。
論破がゴールになっていないか?
新型コロナ禍でも数多く見られた、ツイッター上での「平行線の議論」。
未知のウイルスを強く恐れ、「東京の繁華街でマスクをしていない人を見掛けた。常識のない人だ」と批判する人がいれば、「(マスクをしていない人をわざわざ注意して回る)『マスク警察』はやり過ぎ、もはやコロナ脳(コロナウイルスを恐れる人を指す蔑称)だ」などと揶揄(やゆ)する人もいて、決して交わることのない平行線の議論を可視化させました。
匿名SNSにおける意見対立の特徴は、議論による和解や歩み寄り、相手に対する想像力の保持、さらには科学的根拠による事実の検証といったこと以上に、対立相手を「論破」することがゴールになりがちであるという点です。
特にツイッターの場合、たった140文字という制約の中で慎重かつ丁寧に議論するのはそう簡単なことではないでしょう。
2013年に出版されベストセラーとなった『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)には、「人は、対人関係のなかで『わたしは正しいのだ』と確信した瞬間、すでに権力争いに足を踏み入れているのです」というアドラー心理学による言及があります。
権力争いが始まると、主張の正しさよりも勝ち負けに意識がいってしまうという指摘です。

匿名SNSでも同じように「どちらが上で、どちらが正しいか」の戦いになってしまう場面がしばしば見受けられます。
それならば「いっそSNSをやめればいいじゃないか」という声が上がるのも、仕方のないことかもしれません。

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画