東京23区「私立中学進学率」でわかる教育格差 生徒の個性を伸ばす足立区・江戸川区独自の取り組みとは
2020年9月6日
ライフ都内で発生する生徒間の教育格差。そんな問題に対して、足立区と江戸川区は独自のプログラムで対応しています。いったいどのような内容なのでしょうか。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
文京区40%、足立区12%、江戸川区10%
中学受験が盛んな東京都のなかでも、23区の私立中学校への進学率は特に高いといわれています。
東京都教育委員会が発表した令和元年度公立学校統計調査報告書の「公立学校卒業者(平成30年度)の進路状況」によると、区内で私立中学校への進学率がもっとも高いのは文京区で、公立小を卒業した児童のうち、実に40.4%が都内の私立中学校へ進学しています。
次点の港区は39.1%。この数字だけを見ると、「東京は中学受験が当たり前」という印象を受けますが、必ずしも区全体で私立中学校の進学率が高いわけではありません。足立区は12.1%、江戸川区は10.3%と、区内でも大きな隔たりがあるのです(東京都全体の平均値は17.9%)。
ところが足立区と江戸川区は、近隣に私立中学校が少ないことも影響しているものの、平均値が示すように中学受験や進学そのものがメジャーではないのです。
地方に似た環境の2区
通塾を筆頭に、学校以外の場で子どもが勉強するには当然お金がかかります。
前述のデータから、文京区や港区に住んでいる子どもたちは「教育費をかけられる家庭」で育っているとも言えます。

東京では、多くの子どもたちが小学3~4年生から中学受験に向けて通塾を始めます。
大ざっぱな言い方ですが、私立中学校に進学する児童が少ない足立区や江戸川区は、東京の都心部の常識と異なり、「小学校を卒業したら学区の公立中学校に進学する」という地方に似た環境と言えるでしょう。

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