都会育ちばかりが増える都内の大学 地方の若者はもう東京を目指さないのか?
2020年5月15日
ライフ経済活動や天災などの影響で、東京圏出身の学生の割合が増している都内の大学。その偏りをただすべく、各大学は施策を打っています。教育ジャーナリストの中山まち子さんが解説します。
大学生の約24%が都内に通学
東京一極集中が叫ばれて久しいなか、文部科学省が2016年度から、8000人を超す大規模な私立大学を対象とした政策を主導しています。目的は地方創生です。

2020年度の募集定員に対して、1.10倍を超える合格者が出た場合は助成金を削減するといったもので、大学が厳守したため、受験生は狭い門を避け、志望校のランクを下げる傾向が強まりました。
しかし都内にある大学の人気は依然として高く、2019年度の全国の大学入学生のうち、都内の大学に進学した割合は約24%にも上っています。この数値だけをみると、都内に大学生が集中していると考えてしまいますが、事実は異なります。
「ローカル化」が進む都内の大学
総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)はバブル崩壊後の1995(平成7)年を境に、転入超過(転入者が転出者を上回る)が24年続けて拡大し、2019年は前年より8915人多い、14万8783人となっています。

特に15歳から29歳までの転入者数は13万2533人と、全体の約9割に上っています。地方の若者が東京へ移住するのは進学と就職がきっかけですが、文部科学省の2019年度の「学校基本調査」で都内の大学入学者をクローズアップしてみると、東京圏出身の学生の割合が69.2%となっています。
つまり都内の大学に進学しているのは、もともと東京圏に住んでいた受験生が多く、このことからも、都内の大学で「ローカル化」が進んでいることがわかります。

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