東京「オタク三大聖地」の池袋に鉄道ファンがひそかに熱視線を送る理由
2020年6月13日
ライフ東京の「オタク三大聖地」として知られる池袋。しかし鉄道ファンの隠れた聖地でもあると、大学ジャーナリストの石渡嶺司さんは言います。いったいなぜでしょうか。
池袋にある隠れた「鉄ちゃん」聖地
池袋と言えば、東京の「オタク三大聖地」のひとつとされています。
乙女ロードは豊島区役所(豊島区南池袋)のウェブサイトに掲載されているくらいですし、2019年公開のアニメ映画『天気の子』では豊島清掃工場(同区上池袋)、池袋警察署(同区西池袋)やラブホテル街などが登場しています。
しかしこの池袋、鉄道ファンの隠れた聖地であることはあまり知られていません。
池袋駅西口を出て劇場通りを北上、川越街道を渡り、東に進むと見えてくるのが東京交通短期大学(豊島区池袋本町)です。同短大は2020年現在、日本で唯一の鉄道短大です。

短大だけでなく四年制大学も含め、同短大は唯一、運輸科を設置しており、鉄道業界の人材育成に主眼を置いています。
学内には運転シミュレーターも
同短大は1952(昭和27)年、当時の国鉄や私鉄経営者協会(現・日本民営鉄道協会)などの支援を受ける形で設立されました。
その後、運輸科(または類似の学科)設置の短大は芝浦短期大学(現・芝浦工業大学)、大阪交通短期大学(現・大阪産業大学)もありました。が、どちらも、廃止となったため、東京交通短期大学が唯一の運輸科となりました。

同短大には、JR東日本・仙台教習所で使用していたものを移設した運転シミュレーター館が学内にあります。それから西武鉄道3号機(SL)、丸ノ内線500形685号も保存展示されています。
教育は鉄道を含む交通科目、観光科目など専門性の高いカリキュラムです。客員教授には、鉄道ジャーナリスト・カメラマンとして有名な櫻井寛氏も在籍。
なお、同短大を運営する学校法人豊昭学園は昭和鉄道高校も運営しています。同校は、東京交通短期大学と同じ敷地内に設置。名前に鉄道が入るのは、日本の高校約4900校の中で、同校のみ。設置の学科である鉄道科も、同校のみです。
なお、鉄道関係の教育を行う高校は、昭和鉄道高校以外だと、岩倉高校運輸科(台東区上野)が該当します。

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