新型コロナが収束したら、あなたが「また行きたい場所」はどこですか?

  • ライフ
新型コロナが収束したら、あなたが「また行きたい場所」はどこですか?

\ この記事を書いた人 /

アーバンライフ東京編集部のプロフィール画像

アーバンライフ東京編集部

編集部

ライターページへ

まだ収束の見えない、新型コロナウイルスの感染拡大。外出自粛のなかで旅行にも当面行けそうにありません。でも、落ち着いたら必ずまた行くからね――。そんな思いを込めて皆で作り上げる「旅先マップ」を、新宿区の企業が立ち上げました。

皆で作る、「過去最高の旅先マップ」

 食料品や日用品、生活に必要な物品の買い出し以外、あらゆる外出が日常から遠ざけられている2020年4月現在の東京。言うまでもなく「旅行」も自粛対象のひとつに数えられます。

 新型コロナウイルス禍が過ぎ去ったら、また旅行へ行きたい、そう願っても、今のところまだ収束のめどは立ちません。うつうつと過ごす日々に何か「楽しみ」を用意できないか――そう考えた東京の情報通信会社が、このたび「#みんなでまた行くね」と題したマップを制作、ウェブ上で公開しました。

また訪れたい、あなたにとっての最高の旅行先はどこですか?(画像:写真AC)



「また行きたい」「応援したい」と思う旅行先の画像を、SNSを通じてマップ上に投稿し、みんなで「過去最高の旅先マップ」を完成させよう、というこの企画。3月末から応募を始め、続々と投稿が集まっています。

 マップ制作を進めているボールドライト(新宿区新宿)経営戦略室の芝野緑さんに、企画の狙いや展望を聞きました。

※ ※ ※

――早速ですが、今回の「#みんなでまた行くね 日本旅先応援プロジェクト」を立ち上げた動機・経緯を教えてください。

 当社では、オリジナルマップを簡単に作成できる「プラチナマップ」というサービスを提供しています。

 航空業界や観光バス・クルーズ運営会社など多くの観光関連会社とお取引しているのですが、新型コロナウイルスの影響による外出自粛で、そうした業界は今かつてない苦境に立たされています。

 でも今「旅行に行きたくても行けない状況」にあるだけで、ニーズがなくなったわけではありません。

 そこで、コロナ終息後に観光業界がすぐに立ち直れるように、また旅行・お出掛け好きの人たちが自宅で楽しめるように、収束までの期間を「次の旅に向けてワクワクするとき!」と捉えて皆で盛り上がりたい……。これが、今回のプロジェクトを立ち上げた経緯です。

SNSでハッシュタグを付けて投稿

――具体的には、誰からのどのような投稿を募集しているのでしょうか。ザ・観光地といった有名スポット限定なのでしょうか。

 投稿はどなたでもできます。「また行きたい」と思っている場所であれば、有名な観光スポットだけでなく、どこでも大歓迎です。すでに投稿が集まってきていますが、定番の観光地もあれば「いつでも行けると思っていたけれど行けなくなってしまったカフェ」なども含まれていてさまざまですね。

 今のところは旅行好きの人からの投稿が多くて、「こんなところあるんだ」というような、知らなかった穴場スポットもたくさんあって私たちも楽しませてもらっています。

「#みんなでまた行くね」マップ(画像:ボールドライト)



――投稿の方法やルールを教えてください。

 SNSのインスタグラムかツイッターで、過去に行った「最高の旅先の写真」1枚に、スポット名、応援メッセージ、「#みんなでまた行くね」というハッシュタグを添えて投稿してください。募集は4月20日(月)までです。投稿内容は事前審査のうえ、マップ上に反映させています。

 募集期間中に集まった投稿を、オリジナルマップサービス「プラチナマップ」にプロットして、「過去最高の旅先マップ」を完成させる予定ですが、「マップを早く見たい」という声もいただいたので、途中経過のマップを4月17日(金)から公開しています。

 ちなみに、写真は必ず投稿者自身に著作権があるものを選んでいただくようお願いしています。ちなみに投稿後も著作権はご自身に帰属しますので、ご安心ください。

――これまでに寄せられている投稿は、どんなものがありますか。

 リゾート好きな人からは、都市中心部から地方へとの移動を自粛するよう要請が出ているので「ビーチが恋しい」という声が寄せられています。スポットでいうと座間味島のビーチや、竹富島の西桟橋などですね。

 それから八丈島のフリージア祭りや、岐阜の鮎菓子も……。「2020年はイベントが中止になって残念だけど、必ずまた行きたい」という声や、「旅行以外の方法で今は応援してみます」という投稿もありました。

観光業界の「下支え」にもなれば

――実際の投稿を拝見したのですが、投稿画像と一緒に書き加えられているそれぞれの説明文が、個人の思い出や思い入れがたっぷりですね。

 本当にそうなんです。実際に行ったことがあって、しかもまたもう一度行きたいと思える、本当に良かったスポットばかりが投稿されているので。本当に、思い入れたっぷりです。

 そんな投稿を見ていると、見ている方もワクワクしてくるのではないでしょうか。マップは「絶景」や「グルメ」などカテゴリー別に表示することもできるので、好きな旅行の仕方でカテゴリーを選んで、自分好みの投稿を探してみても楽しいと思います。

すでに投稿が続々と集まっているマップ(画像:ボールドライト)



――プロジェクトを立ち上げた3月以降、情勢はますます厳しくなり、外出自粛の要請は東京をはじめ全国に広がっています。このような状況下で「#みんなでまた行くねマップ」はどのように社会の役に立てると考えますか。

 とにかく今は、おうちにいながら楽しめるコンテンツがたくさん必要な時期。たくさんの人に、過去の旅の思い出を振り返りながら「また行きたい!」という前向きな気持ちになってもらえたらと期待しています。

 さらに、マップ状のほかの人の投稿を見て「コロナが収束したら自分も行こう」と思ってもらえたらうれしいです。

 このワクワクした気持ちをたくさん増やし皆で共有することで、このような現状のなか少しでも観光業界を下支えできたらという思いも込めています。

――新型コロナ収束までの期間を「次の旅に向けてワクワクするとき」と位置付ける考え方、なるほどと思いました。芝野さん自身は、事態が収束したらどこへお出掛けしたいですか。

 私自身は、そうですね、沖縄の離島に行きたいです。思いっきり開放的な青空の下で、ビーチに寝転がりたいです。ずっと緊張状態が続いているので、のんびり過ごしたいですね。皆さんは、どこへ行きたいですか? ぜひマップに投稿して、「過去最高の旅先マップ」を完成させてください。

誰かの投稿が、誰かの勇気になるかもしれない

――既製品の観光地図ではなく、自分自身もマップ作りに加わるという「参加型」のコンテンツは、SNSが発達した現代らしいスタイルだと感じます。こうした「参加型コンテンツ」の有用性や意義について、どのように考えていますか。

 SNSを介する参加型のコンテンツは「共感」によって広がるため、今回のように社会の一助になるものや、さまざまな立場の人の共感を得られるものであれば、自然と広がっていくのだとあらためて感じました。

 参加型のコンテンツは、共感を軸にたくさんの人を巻き込み、一緒にコンテンツを作っていくことで「伝わる力」がより強いものになっていくと考えています。

――また旅ができることを心待ちにしている人、厳しい状況下を何とか耐えている観光業の方々にひと言お願いいたします。

「#みんなでまた行くね 」プロジェクトのメンバーたち。旅行好きが多いよう(画像:ボールドライト)



 この状況にも必ず終わりが来ます。今はおうちでできることをいろいろな方法で楽しんで、一緒に乗り切りましょう! 観光業の方々には、また行けることを心待ちにしている人たちのメッセージを少しでも力にしていただけたらと願っています。

※ ※ ※

 誰も経験したことのない新型コロナウイルス禍。あなたが「過去最高の旅先」を振り返り、シェアすることは、知らない誰かをほんの少し勇気づけることにつながるのかあしれません。

関連記事