日常生活に少しの彩りを――都電荒川線沿いに咲く「バラ」を巡る物語
2020年5月14日
知る!TOKYO新型コロナ禍でもちょっとした楽しみは作れるもの。そのひとつが街の風景です。今回は都電荒川線の線路端に植えられた「バラ」について、フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。
手軽に楽しめる街の花々
新型コロナウイルスのまん延で、行楽シーズン真っ盛りのゴールデンウィークに出掛けた人は大幅に減少しました。
ゴールデンウィークに人出が減少したのは、行楽地だけではありません。新宿や渋谷、銀座といった繁華街も人影はまばらでした。遠出どころか、近隣への外出も多くの人が控えたことになります。
できるだけ外出をしないように呼びかけられている昨今ですが、食料品や日用品などの買い物をはじめ、用事で外出せざるを得ない事情も出てきます。
そうした必要火急の外出時に、手軽に楽しめるのが線路や道路の沿いに咲く美しい花々です。
都電荒川線「さくらトラム」の由来
この時期、見頃を迎えているのがバラです。
東京近郊には多くのバラ園があります。しかし、緊急事態宣言でそれらの多くは休園しています。そのため、バラを存分に楽しむ環境ではありません。
都電荒川線の線路沿いに植栽されている数々のバラは、誰もが気軽に楽しむことができるバラ鑑賞スポットでもあります。

新宿区の早稲田から荒川区の三ノ輪橋を結ぶ都電荒川線は、“東京さくらトラム”という愛称がつけられています。
これは、沿線に飛鳥山や神田川といったサクラの名所が点在していることに由来しています。そのため、サクラのシーズンは都電の車内も沿線を散策する人もサクラ目当ての花見客であふれます。
しかし、都電沿線でサクラが植樹されているのは飛鳥山や神田川です。これらのサクラの名所は、都電沿いとはいえるものの、都電の車窓から楽しめるほどの近距離ではありません。

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